
理系におすすめの仕事は?選び方・やりたい仕事がないときの対処法を解説
- 公開日
- 2025/06/30
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理系の学生のなかには、「自分がどのような仕事をしたいのかイメージできない」と悩んでいる人も少なくないのではないでしょうか。
理系の学生が理想の就職先やキャリアを見極めるためには、自身の強みを活かした仕事の選び方を知っておくことが大切です。この記事では、理系の学生向けに仕事・キャリアの選び方や、理系が活躍できるおすすめの仕事・業界などをご紹介します。
この記事では、理系におすすめの仕事や業界をご紹介します。自分に合った仕事の見つけ方も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
1.理系の強みを活かした仕事・キャリアの選び方とは?

まずは、理系の強みを活かせる仕事・キャリアを選ぶために押さえるべきポイントを知っておきましょう。
1-1 論理的思考力を活かせるか
論理的思考力とは、情報を正確に分析して合理的な解決方法を導き出す能力のことです。
理系の学生は、実験や研究のなかでトライ&エラーを繰り返し、その結果をもとに結論を導き出すという経験を積むことが多くあります。
その経験により、複雑な物事を筋道立てて考える能力(論理的思考力)が身に付きます。
こうした論理的思考力を活かせる仕事であれば、自身の能力を発揮しやすいでしょう。
例えば、研究職のように0から1を生み出す仕事では、筋道を立てて物事を論理的にとらえる力が求められるため、理系学生に向いている仕事の一つといえます。
論理的思考の重要性や鍛える方法については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。
また、My CareerStudyでは論理的思考力を実践的に学べる講座もご用意しています。ぜひご覧ください。
My CareerStudyでは、コミュニケーション能力を身に付けるうえで大切なポイントを講座で解説しています。ぜひ参考にしてください。
1-2 データや数値の分析ができるか
分析力とは、データを収集・整理・分析し、論理的な結論を導き出せる能力のことを指します。理系の学生は実験や研究を通じてデータや数値を分析する機会が多く、分析力が身に付いている傾向にあります。
例えば、調査で得たデータをもとに新商品の研究をおこなう研究開発職は、分析力を活かせる仕事の代表例です。また、AIやIoT化が進んでいる現代では、営業やマーケティングなど文系職種でもデータ分析力が求められます。
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1-3 学んだ専門知識を活かせるか
ひとくちに理系といっても、理学部、工学部、医学部、歯学部、看護学部、薬学部、地学などさまざまな分野がありますが、理系の学生はそれぞれの学部で学んだ専門性を活かした仕事探しやキャリア形成が可能です。
例えば化学工学を学んでいる学生の場合、身に付けた専門知識を活かして化学メーカーや自動車メーカー、機械メーカーなど、幅広い業界に挑戦しやすくなります。
また、環境アセスメントや地質調査を仕事にする環境コンサルティング会社に就職するなら、地学の専門知識が活かせるでしょう。
企業にとって、自社の事業に関連する専門知識を持った学生は貴重な存在です。自分の専門知識を活かせる仕事が見つかれば、やりがいを感じながら働ける可能性が高まります。
1-4 モノづくりや開発に携われるか
何かを製造したり生み出したりする技術職には、手先の器用さだけでなく、素材の特性や構造に関する専門知識も必要になります。
理系のなかでも工学部などの学生は、研究や実験を通じて0から1を生み出す経験を重ねているのではないでしょうか。実験を繰り返すなかで新しいモノを生み出す力が身に付いていれば、研究開発だけでなく、モノづくり(製造業)の現場でも適性を活かせます。
モノづくりといってもさまざまな業種・分野があります。自身の専門知識を活かしながら興味を持てる業界を見つけられれば、充実したキャリアを築くことができるでしょう。
2.理系が活躍できる!おすすめの仕事

ここからは、理系出身者が活躍できるおすすめの仕事をご紹介します。興味・関心のある仕事がないか見てみましょう。
2-1 データサイエンティスト
データサイエンティストは、膨大なデータを解析してビジネスの課題を解決する仕事です。統計学や数学・AIなどを駆使して膨大なデータを分析するだけでなく、データをもとに新たな発見を目指すことがミッションとなります。
ビッグデータから消費者の行動やニーズを分析する手法は近年のビジネスで多く用いられており、データサイエンティストは今後さらに求められる存在になると考えられます。
データサイエンティストには、Pythonなどのプログラミングスキルのほか、数学や統計学、データベース管理の知識などが求められます。「統計検定」や「ビジネス統計スペシャリスト」の資格を持っていると、統計学に関する基礎知識の証明になります。
- ルーティンワークが得意な人
- 数学や統計学を学んでいる人
データサイエンティストに向いている人の特徴】
データサイエンティストや統計学については、以下の講座でも詳しくご紹介しています。興味のある人はぜひ併せてご覧ください。
2-2 システムエンジニア
ITエンジニアの一つであるシステムエンジニア(SE)は、企業の情報システムの設計・開発・運用に携わります。
また、自社のシステム開発だけでなく、クライアントが提示した要件をもとに、設計・開発・テスト・保守などの仕事をプログラマーと協力しながら進めていくこともあります。
さらに、システムに不具合が見つかった場合は、原因の究明や解決に対応します。
システムエンジニアに求められる知識は多岐にわたりますが、一例としてクラウドコンピューティングやセキュリティなどが挙げられます。必ずしも必要な資格はありませんが、「基本情報技術者」や「応用情報技術者」などの国家資格があれば就職活動や今後のキャリアで評価されるかもしれません。
システムエンジニアに向いている人の特徴
- プログラミングに興味がある、大学で学んでいる人
- コミュニケーション能力や協調性のある人
- 忍耐力があり、状況に合わせて柔軟に対応できる人
システムエンジニアのほかにも、ITエンジニアの職種は多岐にわたります。
ITエンジニアについては、以下の講座でも詳しくご紹介しています。興味のある人はぜひ併せてご覧ください。
2-3 AIエンジニア
AIエンジニアは、人工知能(AI)の技術を生かしてアプリケーションやツール、システムの開発をおこなう仕事です。主な業務には機械学習モデルの構築やデータ解析などがあり、自動運転や医療診断システムなど、AI技術は幅広い分野で活用されています。
新しい分野のため必須資格はありませんが、AIに関する最新の動向を常に把握することが求められます。また、エンジニアとしての基本技能も必要です。Pythonなどのプログラミング言語はもちろん、統計学やデータサイエンスの専門的な知識も求められます。
AIエンジニアに向いている人の特徴
- プログラミングに興味がある、大学で学んでいる人
- 統計学やデータサイエンスなど理系の学問が得意な人
- AIに興味があり、最新技術をキャッチできる人
AIエンジニアの仕事内容については、以下の講座でも詳しくご紹介しています。興味のある人はぜひ併せてご覧ください。
2-4 AR・VRエンジニア
ARは「拡張現実」、VRは「仮想現実」を意味する言葉です。
例えばARは、現実の風景のなかにゲームキャラクターが登場するようなゲーム作成に利用されています。一方でVRは、災害を想定したシミュレーションなどを仮想現実のなかでおこなうことができ、防災・医療・教育などのシーンで利用されます。
AR・VRエンジニアは、このようなARやVRの技術を用いて仮想現実とリアルの世界が融合した体験を提供するアプリケーションやシステムを開発したり、改善をおこなうのが主な仕事です。
AR・VRエンジニアになるためには、UnityやUnreal Engineなどの開発ツール、3Dモデリングソフトなどに関する経験や知識が必要です。あるとよい資格としては、システムエンジニアと同様に「基本情報技術者」や「応用情報技術者」などの国家資格を持っていると面接で評価される可能性があります。
AR・VRエンジニアに向いている人の特徴
- VRやAR業界への関心が強い人
- 最新技術への興味・関心がある人
- 開発ツールの情報収集に便利な英語力がある人
VRクリエイターの仕事内容については、以下の講座でも詳しくご紹介しています。興味のある人はぜひ併せてご覧ください。
2-5 機械設計・光学設計エンジニア
機械設計エンジニアは、電化製品や自動車、半導体装置など、さまざまな機械を作る仕事です。CADと呼ばれる製図ソフトを利用して設計図を作成し、解析ツールで強度や性能などの検証をおこないます。
一方、光学設計エンジニアは、電子顕微鏡やメガネ、デジタルカメラなど、レンズを必要とする光学製品を設計する仕事です。
いずれも、エンジニアとしての知識に加えて、最近は海外の顧客から受注する可能性もあるため、語学力も求められることもあります。必須の資格はありませんが、「CAD利用技術者試験」や「機械設計技術者」など機械分野の資格があると、自身のスキルや知識を証明する材料になるでしょう。
機械設計・光学設計エンジニアに向いている人の特徴
- モノづくりへの興味関心が高い
- パソコンの操作に慣れている人
- 地道な仕事をコツコツと続けられる人
機械・工学エンジニアについては、以下の講座でも詳しくご紹介しています。興味のある人はぜひ併せてご覧ください。
2-6 技術営業(セールスエンジニア)
セールスエンジニアとは、ITを活用したサービスを顧客に提案する際に技術的な知識を生かして営業活動をおこなう職種です。営業担当者に同行して顧客の技術的な質問に答えたり、顧客が抱えるニーズから技術的な解決方法を提案したりします。
技術営業(セールスエンジニア)に向いている人の特徴
- 人と関わることに対して興味・関心が高い
- 公平かつ冷静な判断ができる
- 経営視点で組織をつくることに興味がある
なお、営業は、顧客とのコミュニケーションを通じて新規注文の獲得や問題解決などをする仕事です。
営業の仕事内容については、以下の講座でも詳しくご紹介しています。興味のある人はぜひ併せてご覧ください。
2-7 アクチュアリー・クオンツ
アクチュアリーは、統計学や確率論などの知識を活かして保険や年金に関する将来のリスクや不確実性を分析・評価する専門家です。
一方、クオンツは金融工学の専門家で、金融市場や金融商品価格の変動を分析して将来予測をおこないます。
アクチュアリーは、数学・統計学の知識に加えて、市場理解に対する深い理解などが求められます。クオンツも、高度な数学スキルのほか、金融市場や投資戦略に関する専門知識が求められます。
アクチュアリーとして働くには、日本アクチュアリー会が実施する資格試験に合格する必要がありますが、クオンツに関しては資格取得の必要はありません。
アクチュアリー・クオンツに向いている人の特徴
- データ分析力や数理能力に自信がある人
- 身に付けた数学知識を活かしたい人
2-8 研究開発職
研究開発職は、新しい技術や製品を開発したり、既存製品の改修をおこなったりする仕事です。各研究所や大学、政府機関など、さまざまな場所に研究機関があり、研究している内容は多種多様です。
研究職では、実験やデータ収集、分析、検証を通じて新たな商品を開発したり、既存製品の改良をおこなったりするために必要な基礎研究や応用研究を進めます。基礎研究とは、知識の枠を広げることを目的とした研究のことで、応用研究とは、特定の課題の解決を目指す研究のことです。
一方、開発職は研究職の研究結果をもとに、製品化に向けた課題の解決やコスト計算などを通じて企業の技術を製品に落とし込んでいきます。内容によっては、業務に必要な資格の取得が必要になることもあります。
研究開発職では、仮説を立てて実験や検証を繰り返すなかで、目に見える研究結果だけでなく、その背景にある要因まで分析する「洞察力」が求められます。また、従来のアイデアや発想にとらわれずに開発に取り組むためには「発想力」も重要なスキルの一つです。
研究開発職に向いている人の特徴
- 学んだ知識を応用する力や研究を続ける忍耐力がある人
- 柔軟な発想力がある人
- 一つのテーマを深く掘り下げる洞察力がある人
2-9 医療従事者
医師、看護師、理学療法士、薬剤師などの医療従事者も理系出身者の有力な就職先となります。ただし、いずれも国家資格の取得が必須です。
医師や看護師は病院やクリニックに就職するケースが多いですが、医師に関しては、病気やけがの診断や治療をおこなう仕事のほか、大学や研究機関で細菌研究や治療法の確立などに携わる道もあります。
また、薬剤師は病院や薬局、ドラッグストアなどが主な就職先となりますが、製薬会社の研究者として活躍する道もあります。
他にも医療従事者として医療現場で働いた経験を活かし、将来的には「メディカルライター」として活躍することも可能です。
メディカルライターは医学・薬学に関する専門知識をもとに、一般向けや医療関係者向けの記事を作成する仕事です。医療や健康に関する情報は、特に正確性や専門性の高さが求められるため、医療従事者として活躍した経験は大きな強みとなるでしょう。
医療従事者に向いている人の特徴
- 困っている人を助けたい気持ちが強い人
- 医療の最新技術に触れたい人
2-10 MR
MRは日本語で「医療情報担当者」と訳されます。
製薬会社に勤務して、自社の医薬品を正しく使ってもらうために必要な情報(安全性や有効性)を医療機関に提供する仕事です。
医薬書に載っていない情報や認可前の情報を医師に伝えることも多く、医療現場において重要な役割を果たします。薬の開発の世界では、既存の知識も技術の進歩でどんどん更新されます。そのため、MRは新薬に関する知識を常に学ぶ意欲が必要となります。
MRに向いている人の特徴
- 医学や薬学に関して最新情報を学ぶ意欲がある人
- 相手にわかりやすく、正確な情報やデータを伝えるのが得意な人
2-11 自動車・航空整備士
自動車整備士や航空整備士は、自動車や飛行機が安全に動くように整備や点検をおこなう仕事です。自動車整備士はディーラーや街の整備工場、航空整備士は空港が主な勤務先となります。いずれも、基本的に整備をおこなうには整備士の資格取得が必須です。
整備士には、日々の整備によって安全な運転・運航を支える重要な役割があります。 単に車や飛行機が好きなだけでなく、責任感や、小さなミスを見逃さない注意力も求められます。
自動車・航空整備士に向いている人の特徴
- 車や飛行機が好きな人
- 小さな違和感によく気付く人
- 責任感が強い人
2-12 教育者
小学校や中学校、高等学校、塾などで理系の知識を活かして、子どもに理科や数学を教えるという選択肢もあります。
教師の場合、ただ勉強を教えるだけでなく、その科目を苦手としている生徒に勉強方法をアドバイスするなど、生徒とのコミュニケーション能力も求められます。
なお、学校の教師になるには教員免許が必要ですが、塾の講師や家庭教師なら資格は必要ありません。
教育者に向いている人の特徴
- 相手の理解度に合わせて説明することが得意な人
- 人の成長を見守り、支えることにやりがいを感じる人
教師の仕事内容については、以下の講座でも詳しくご紹介しています。興味のある人はぜひ併せてご覧ください。
3.理系出身者が活躍中!話題の業界をご紹介

世の中にはさまざまな業界があります。そのなかでも理系が活躍しやすいのはどのような業界なのかを見ていきましょう。
3-1 IT・AI業界
進歩が目覚ましいIT・AI業界。社会全体のIT化が進むなか、教育や医療などさまざまな分野でデジタル技術が活用されています。
特に、大規模なデータから学習して新しいコンテンツを生成する人工知能「生成AI」の機能は急速に向上しており、プログラミングや画像や動画、文章の作成、カスタマーサポートなどさまざまなビジネスで活用されています。
生成AIを含むITの技術は伸び続けることが予想される分野です。
AI以外にもさまざまな分野があり、理系学生の専攻やキャリアプランに応じて幅広い業界のなかから進路を選択できます。
ソフトウェア業界:アプリやシステムなどの開発をおこなう
ハードウェア業界:パソコンやスマートフォンなど機器本体の開発をおこなう
情報処理業界:SES(システムエンジニアリングサービス)やSler(システムインテグレーター)として企業に派遣され、システムの開発や保守をおこなう
IT・AI業界は政府としても積極的に投資を進めている分野であり、学生が長期的なキャリア形成ができる点でも就職先として適しています。
3-2 農業業界
農業といえば農家が手作業で農作物を作るイメージがありますが、昨今は、AIやロボット、ICTなどの先端技術が農業と結びついた「スマート農業」が注目されています。
例えば、トラクターの運転が自動化され人間が農機具の運転をする必要がなくなれば、効率的な作業が可能となります。また、ドローンで撮影した農地全体の画像をAIで分析して肥料の施し方を計画するなど、新しい技術が取り入れられています。
農業の概念が変わりつつあるなか、AIやロボット工学に詳しい理系人材によるデータ分析や論理的思考が求められるようになってきています。
3-3 半導体業界
半導体とは、電気を通す「導体」と電気を通さない「絶縁体」の中間の性質を持つ物質のことです。トランジスタ(電気信号の増幅やスイッチの切り替えをおこなう電子部品)や集積回路などの電子部品の材料として用いられ、現代の電子機器や自動車には欠かせない材料となっています。
そのため、半導体の製造や設計に関する専門知識を持つ理系人材は重宝されるでしょう。
また、半導体不足を解消する新たな素材の開発や、半導体そのものの機能を大きく向上させる革新的な技術開発に携われる機会もあるかもしれません。
3-4 エネルギー業界
近年、環境問題やエネルギーの枯渇問題が議論されているなか、再生可能エネルギーや廃棄物のリサイクルなどの分野では継続的に研究開発が進められています。エネルギー効率の向上や環境負荷の低減を目的とした研究・実験も盛んです。
また、太陽光や風力などの再生可能エネルギーに並ぶ新たなエネルギー資源の開発や、効率的にエネルギーを変換する技術なども求められています。
こうした分野は、電気工学や原子力工学、化学工学といった専門分野を学んだ理系学生にとっては、有力な就職先の候補となるでしょう。
3-5 健康・医療業界
健康・医療業界のなかでも、バイオテクノロジー関連の技術はさらなる成長が期待されている分野の一つです。遺伝子編集や再生医療などの領域で最新技術が次々と開発されており、新薬開発など医療の発展に欠かせないものとなっています。
バイオテクノロジーでは生物学や化学の知識が必要であり、研究開発や実験に携わる理系出身者が多くいます。
4.理系の仕事に求められる能力・スキル

「理系の強みを活かした仕事・キャリアの選び方とは?」でご紹介した論理的思考力や分析力はもちろんですが、理系の仕事ではほかにも多様な能力やスキルが求められます。
ここからは、理系の仕事に求められる能力やスキルをご紹介します。
4-1 コミュニケーション能力
コミュニケーション能力とは、会話のなかで相手の主張を的確に聞き取ったり、物事をわかりやすく伝えたりと相手との意思疎通をスムーズにする能力のことです。
理系の仕事は、研究や分析など一人で黙々とおこなうイメージを持っている人もいるでしょう。しかし、一人で社内の仕事を完結することは難しく、チーム内での意見交換や調査結果の発表、営業に同行してクライアントに自社商品の特性を説明するなど、コミュニケーション能力はどの場面でも大切です。
相手が理解しやすいようにわかりやすく内容を整理してから伝える力が付けば、周囲から信頼されることにもつながり、社内評価が向上する可能性もあります。
また、コミュニケーションを通じて顧客のニーズを引き出すことができれば、新しいサービスや商品の開発につながるかもしれません。
My CareerStudyでは、コミュニケーションスキルを磨くための講座をご用意しています。ぜひご覧ください。
4-2 課題解決力
課題解決力とは、直面している課題やその原因を特定し、適切な方法で解決へと導く能力のことです。
会社のなかで人やモノが動いたり、新しい研究開発に取り組むときは、問題やトラブルが発生しやすいものです。その問題の原因と解決方法を冷静に分析・解決できる力も理系の仕事では求められます。
発生した問題を放置してしまうと、さらに大きな問題に発展することも少なくありません。冷静に対処したうえで再発防止策を提案できる能力があれば、高く評価されるでしょう。
4-3 忍耐力
忍耐力とは、解決が困難な状況に直面しても、その状況に負けず目標に向かって進み続ける能力のことです。
研究・開発の仕事では、まったく新しいモノを生み出すことを目指すため、すぐに成果が出なかったり後退したりすることも少なくありません。そのため、何回もトライ&エラーを繰り返しながら挑む姿勢が必要となります。
また、データ分析に関わる場合は、膨大な量の情報を整理・検証しながら傾向を読み取るという作業が発生します。地道な作業が続くケースもあるため、粘り強く検証や見直しをおこなう姿勢が大切です。
4-4 探究心・知的好奇心
探求心とは、物事の本質を見極めたい、物事に対する深い知識を得たいと思う気持ちのことです。理系の仕事のなかでも、研究開発の仕事では思い通りの結果が得られない状況でもあきらめずに挑戦し続ける探求心が必要となります。
探求心や知的好奇心があれば、モチベーションを保ちながらさまざまな角度で物事を検証でき、結果を出すためにどのような工夫をすればよいのかを考えることができるでしょう。
5.やりたい仕事がない…そんなときはどうする?

仕事を調べるうちにキャリアの選択肢は広がったものの、「やりたい仕事がわからない」と悩む人もいるのではないでしょうか。
ここでは、自分に合った仕事を見つけるためのコツをご紹介します。
5-1 自己分析でこれまでを振り返る
自分に合った仕事を見つけるには、まず自己分析が重要です。
求めるスキルや専門知識は業界や職種によって異なりますし、キャリアもどの仕事をするかによって大きく変わります。自分にどのようなスキルがあるのか、どのような働き方を希望するかを明確にするためにも、まずは自己分析をしましょう。
自己分析をすると、自身が提供できる価値が明確になるだけでなく、これまでの学業の成果を振り返ることで自身の強みや弱み、価値観、やりがいを感じるポイントなどがわかるようになります。
自己分析の方法については、以下の講座や記事で解説しています。ぜひご覧ください。
My CareerStudyでは、自分の強みと弱みや向いている業界や職種を知ることができる自己分析ツール「社会人基礎力診断 MATCH plus
Action」や、自分に合った働き方のスタイルがわかる「シゴトスタイル診断」などのツールを提供しています。
自己分析に取り組んでみたい人は、ぜひこれらのツールも活用してみてください。
5-2 業界や職種について詳しく調べてみる
やりたい仕事が見つからない場合は、今までより詳しく業界や職種について調べてみましょう。仕事内容を具体的にイメージできていないために自身のスキルや専門知識が活かせるかを判断できず、「やりたいことが見つからない」という状態に陥っている場合もあるためです。
業界や職種について調べる場合は、以下のような方法を試してみましょう。
企業のホームページやマイナビなどの就職情報サイトで情報を調べる。
企業説明会に参加する。
職場見学や職場体験に参加する。
業界や企業の情報を詳しく調べたり、実際に体験・見学したりすることで、仕事内容をイメージしやすくなります。その結果、自身に合っている仕事かどうかも徐々に見えてくるでしょう。
以下の記事では、大学1年生・2年生に向けてキャリアプランの作り方を解説しています。
また、My CareerStudyではさまざまな職種や業界についてわかりやすくご紹介している講座をご用意しています。ぜひご覧ください。
5-3 文系職・理系職関係なく視野を広げる
理系の学生だからといって、必ず理系職に就職しないといけないわけではありません。無理に職種を限定せず、文系職も含めてやりたいことを探してみることが大切です。
例えば、営業職は文系出身の人が多いイメージがありますが、理系ならではの視点や分析力を活かしてクライアントに論理的に商品提案をするなど営業職としても十分に活躍できるでしょう。
また、データ分析やマーケティングなどの分野では理系の人が身に付けているスキルや能力を活かす場面も多くあります。
このように、視野を広げることで自分に合ったやりたい仕事が見つかるかもしれません。
文系の職種について知りたい場合は、以下の記事もご覧ください。
この記事でご紹介したもの以外にも、理系の知識やスキルを活かせる仕事は多くあります。視野を広げたい人は、以下の講座もぜひご覧ください。
5-4 インターンシップ・仕事体験を活用してみる
やりたい仕事が見つからない場合、インターシップ・仕事体験に参加してみるのも一つの方法です。実際に仕事を体験してみることで、その業界や職種に自分が合っているのかを判断するためのヒントが得られるかもしれません。
インターンシップ&キャリアにはさまざまなプログラムがあり、それぞれ以下のように特徴が異なります。
プログラム名 | 概要説明 |
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インターンシップ | 企業で実務型の就業体験を5日間以上おこなうプログラム 長期休暇期間に実施 主に大学3年生や修士1年生以上が対象 |
仕事体験 | 実務型・疑似体験型の就業体験ができる短期間のプログラム 休日や長期休暇期間で実施 全学年が対象 |
オープン・カンパニー&キャリア教育等 | 主に企業や仕事理解のためのプログラム 業界・職種研究、社員交流会、会社・工場見学会などがメイン 実施時期に制限はない 全学年が対象 |
インターンシップに参加してみたい人は、以下の講座も併せてご覧ください。
マイナビでは、「インターンシップ&キャリア」の情報を豊富に掲載しています。企業や団体が提供するプログラムに参加することで、気になる業界や企業のリアルな仕事を体験したり、最新の業界の情報にも触れられます。マイナビもぜひ併せてご利用ください。
5-5 学部の先輩やOBに相談する
同じ学部の先輩やOBに相談するのも選択肢の一つです。
自分と同じような悩みを抱えたことがある先輩やOBに話を聞くことで、自分の専門知識がどのような業界・職種で活用できるかを知るきっかけになるでしょう。
先輩やOBに話を聞いてみたい人は、My CareerStudyの「ミートアップ」に参加してみてはいかがでしょうか。My CareerStudyのミートアップは、「学生がカジュアルに社会で働く人の話を聞くことができ、交流できる場」です。
オンラインでもオフラインでも実施されており、参加者同士で親睦を深めながら情報交換ができます。1時間程度のプログラムも多く、大学の講義やアルバイトの合間など隙間時間に参加しやすいのも特長です。
また、ミートアップに参加するために書類選考などは必要なく、興味を持ったミートアップに気軽に参加できます。登壇する人物の職種・出身学部・行動傾向など、条件にあったミートアップに参加してみましょう。
My CareerStudyのミートアップについては、以下の記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
5-6 就活エージェントに相談する
就活エージェントとは、就職活動に関する悩みや不安を専任のキャリアアドバイザーに相談できるサービスです。就活エージェントは、文系・理系それぞれの特性や違いを理解したうえで、学生一人ひとりに合ったアドバイスをしてくれます。
また、自己分析でも気付かなかった強みや価値観を客観的に伝えてくれるため、今後のキャリアや就職を考えるうえで有効に活用できます。
さらに、企業ごとの採用基準や選考で重視されるポイントなどについて担当者からアドバイスを受けることもでき、気になる業界や企業ごとに具体的な対策を練ることが可能です。
就職活動やキャリアについて、プロからアドバイスを受けながら考えたい人は、新卒学生向けの無料就職エージェントサービス「マイナビ新卒紹介」をご利用ください。
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ここまで、やりたい仕事が見つからない学生のための対策をご紹介してきましたが、やりたいことがない場合の原因や対処法は以下の記事でもご紹介しています。ぜひご覧ください。
6.まとめ
理系の学生は専門知識や論理的思考力を身に付けており、学部で学んできた内容を活かせる研究開発職などが就職先の選択肢となります。専攻内容によっては、医療や農業、エネルギーなど幅広い業界で活躍できるでしょう。
自身が学んできた専門知識が活かせる業界や職種をぜひ調べてみてください。
今回ご紹介した職業はあくまでも一例です。理系学生向けの職業をもっと知りたい場合は、My CareerStudyの講座を参考にしてみてください。

執筆:My CareerStudy編集部
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