自己肯定感とは?高い人と低い人の特徴や学業・仕事への影響、高める方法を解説

自己肯定感とは?高い人と低い人の特徴や学業・仕事への影響、高める方法を解説

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公開日
2024/3/29

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自己肯定感とは?高い人と低い人の特徴や学業・仕事への影響、高める方法を解説

自己肯定感を高めると、生活や学業、仕事など物事に前向きに取り組めるようになり、あなた自身によい影響をもたらします。
この記事では、自己肯定感とは何か、高めるとどのようなメリットがあるのかを詳しく解説します。

1.自己肯定感とは?

自己肯定感とは?

自己肯定感とは、「ありのままの自分自身を認めて肯定する感覚」を意味します。

他人と比較して自身の優劣を評価せず、いまの自分を認め、目の前の物事に前向きに取り組む姿勢を生み出すために大切なものです。


1-1 自己肯定感を構成する要素

自己肯定感はさまざまな感情や感覚で構成されており、心理カウンセラーの中島輝氏によると「6つの感」で構成されています。

要素 概要説明
自尊感情 自分には何かしらの価値のあると思う感覚
自己受容間 自分の個性を理解し、ありのままの自分を認める感覚
自己効力感 自分ならできるという感覚
自己信頼感 自分のことを信じられる感覚
自己決定感 自分自身で物事を決められるという感覚
自己有用感 自分は誰かの役に立っていると思う感覚

また、自己肯定感の各要素は「木」に例えられることもあります。

  • 自尊感情=根のように自身の土台となる
  • 自己受容感=幹のように自身を支える
  • 自己効力感=枝のように自分の状況に応じて柔軟に対応する
  • 自己信頼感=葉が生い茂るように自分自身の可能性を広げる
  • 自己決定感=花を開花させるように主体的に自らの道を決定する
  • 自己有用感=自分の行動が最終的に実を結ぶ

出典:中島輝(2022年)『人生が変わる! 自己肯定感を高める心のセルフケア大全』宝島社


1-2 自己効力感・自信との違い

自己肯定感とあわせてよく使われる言葉に「自己効力感」と「自信」があります。自己肯定感は自分の存在自体を肯定するものなのに対して、自己効力感や自信は自分自身のスキル・能力を肯定的にとらえるものであり、それぞれ肯定するものが異なります。

自己効力感は、根拠や裏付けに基づいて「自分ならできる」「自分には能力がある」と考えられる感覚です。自信は自己効力感と似た意味で用いられますが、根拠や裏付けがなくても成立する考え方です。

つまり、自己肯定感はどのような自分でも認め受け入れる感覚であるのに対し、自己効力感や自信は、何かに取り組む際に前向きに、成果を出すために力を注ぐことができる感覚を指し、それぞれ持つ意味が異なることを覚えておきましょう。

2.自己肯定感が高い人の特徴

自己肯定感が高い人の特徴

自己肯定感が高い人は、自身の考えや主張・個性を大切にしながら物事に意欲的に取り組んでおり、自身の生活に充実感を覚えやすい傾向にあります。

ここからは、自己肯定感が高い人の特徴について詳しくみていきましょう。


2-1 主体的に物事に取り組める

主体的に物事に取り組めるのは、自己肯定感が高い人の特徴の一つです。 自己肯定感が高い人は、言われたことをただこなすだけではなく、自分なりに意義や必要性を見出し、腹落ちしたうえで納得感を持って物事に取り組む傾向にあります。

「主体性」は経済産業省が提唱している「社会人基礎力」の一つであり、今後社会人生活を送るうえで重要なスキルといえます。主体性を実践的に身につけたいという人は以下の講座もぜひご覧ください。



2-2 状況に応じて柔軟に立ち回れる

状況に応じて柔軟に立ち回れるのも、自己肯定感が高い人の特徴です。仮に状況が変わったりミスをしたりして後ろ向きになってしまったとしても、気持ちをコントロールし、前向きに次の一手を考えることができます。

ストレスを自身で制御しながら力に変える「ストレスコントロール力」と、失敗しても挫けずに取り組む意欲を持ち続ける「レジリエンスコントール力」をそれぞれ持っているのが、状況に応じて柔軟に立ち回れる人の共通点です。 ストレスコントロール力については、以下の記事でも詳しく解説していますのでご覧ください。

ストレスコントロールについて実践的に身に付けたい人は、以下の講座も併せてご利用ください。

2-3 他人と良好な関係を築ける

自己肯定感が高い人は他人に対して寛容で、他人と良好な関係を築けるという特徴があります。

自分自身を肯定すると気持ちにゆとりが生まれるので、相手が置かれている立場を考えながら気持ちに寄り添うことができます。また、相手を卑下したり優劣を付けたりせずに同じ目線で接することも可能になります。

相手によって態度を変えることなく、一貫した接し方ができるため、結果的に他人から信頼され良好な関係を築きやすくなります。

2-4 前向きな考え方や行動ができる

自己肯定感が高い人は、欠点も含めてそれをありのままの個性として認識する傾向があります。そのため、たとえ何かに挑戦して失敗してしまっても次に向けて前向きにとらえたり行動したりできます。

また、「やってみないとわからない」「失敗しても学んで次に活かせばよい」と挑戦を恐れず何事にも取り組み、どのようなことも経験になると前向きに考えることができます。

3.自己肯定感が低い人の特徴

自己肯定感が低い人の特徴

一方で、自己肯定感が低いとどのような特徴としてあらわれるのでしょうか。
ここからは、自己肯定感が低い人の特徴について詳しくみていきましょう。

3-1 自分と他人を比較してしまう

自己肯定感が低い人には、自分と他人を比較する傾向が多く見受けられます。「どうして自分はできないんだ」「才能がない」などと劣等感を覚えてしまい、自分が持っている個性やよい点には目が届かなくなってしまいます。

3-2 他人からの評価や言葉を過度に気にしてしまう

自己肯定感が低い人は自分自身を肯定するのが苦手なケースが多く、その結果、他人に認められるにはどうすればよいかばかりを考えがちです。

また自分が他人から認められない状況を受け入れるのが困難で、相手の何気ない言葉や態度、評価を過度に気にしてしまいます。

3-3 挑戦する前に失敗を恐れてしまう

以前に大きなミスや失敗をしてしまった、ひどく叱られてしまったなどの経験がフラッシュバックし、考え方がネガティブになって、自己肯定感を持てなくなってしまっている可能性があります。

それにより、何かに挑戦する前に常に失敗が頭をよぎり、「どうせ挑戦してもよい結果にならない」「また怒られる」などと不安な気持ちになり、行動を起こせない悪循環に陥ることもあります。

3-4 何事にも他人サポートを求めてしまう

自分の考えや行動に自信が持てず、つい他人にサポートを求めてしまうのも自己肯定感が低い人の特徴の一つです。主体性を手放して、「他人の言われたとおりにするほうが楽だ」と考えてしまうのです。

もちろん、他人の力を借りながら物事に取り組む姿勢は重要です。しかし、自己肯定感が低い人は自身が主体性を持って取り組むこと自体に恐れを抱き、何事にも他人の意見を求め、自分の考えや主張を明らかにする場面を避けてしまう傾向にあります。

4.自己肯定感は学業や仕事にどう影響する?

自己肯定感は学業や仕事にどう影響する?

自己肯定感を持つことは、学業や仕事にもさまざまな影響を与えます。自己肯定感が学業や仕事に与える影響について詳しく見ていきましょう。

4-1 学業への影響

自己肯定感が高い人は、学校生活で孤独感や疎外感を覚えず、人気者として友人から認められているケースが目立ちます。自分自身はもちろん、他人の長所も見つけるのが得意で、相手の発言や考えを受け入れ・尊重する傾向があり自然と周囲に人が集まります。

一方、自己肯定感が低い場合は、自分自身の短所に目が向いてしまい、他人に対しても長所ではない部分を見てしまいやすくなり、コミュニケーションを億劫に感じるケースが見受けられます。

人の輪にうまく入れず、孤独感や疎外感を覚えてしまい、「家族以外の社会で認められていない」などといった不安を感じてしまう傾向にあります。


周囲に頼れる人がいるか・いないかは学びを深めるうえでも大切な要素で、自己肯定感が高い人のほうが、多くの友人と情報交換ができるため、学びを効率的に深められる可能性が高くなります。

4-2 仕事への影響

自己肯定感が高い人が集まると、活発なコミュニケーションが生まれ、組織全体に活気が生まれます。目標に向けた前向きな話し合いができるため、成果にもつながりやすくなります。

また、主体性を持って仕事に取り組めるため、自分の弱みを改善できるようにスキルアップを目指したり、得意なところで補ったりと自分自身の成長にもつながります。

一方、自己肯定感が低い人が集まると、それぞれが失敗を恐れ、前向きな議論が難しくなります。組織に不安が蔓延し、士気が下がってしまうなどのマイナス要素が生まれるため、成果につなげる取り組みを実行するのが難しくなるでしょう。

5.自己肯定感を高める方法

自己肯定感を高める方法

それでは、自己肯定感を高めるためにはどうしたらよいのでしょうか。すぐに実践できる5つの方法をご紹介します。

5-1 今の自分を認めてあげる

まずは、自分と他人を比較せず、ありのままの自分を認めることが大切です。

例えば、悩みや不安を紙に書き出し、自己肯定感を高く持てない理由を考えてみます。

「悩みや不安があるのは真剣に向き合っている証拠」「完璧ではなくまずは期限内に提出できれば十分」など、さまざまな方面から自分自身を認めてあげることで、すぐには難しくても少しずつ自己肯定感を高められるでしょう。

5-2 自分のよい面を知る

自分のよい面を知ると、自己肯定感を高めることにつながります。

考え方の一つに「リフレーミング」があります。リフレーミングとは、物事の見方や考え方を変える心理学の用語で、例えば、次の授業まで「あと1時間もある」と考えるのか「あと1時間しかない」と考えるのかで、残り時間に対する考え方やとらえ方が変わるといった思考をもつことです。

リフレーミングによって自分自身をさまざまな角度から見つめ直すことができれば、自己肯定感を高めるきっかけがつかめるでしょう。

そのためには、まずは自己分析や他己分析を通じて、自分が自分に興味を持って深掘りする必要があります。

自己分析や他己分析をおこなうことで、これまで自分自身が弱み・苦手としていた部分でも、他人からすると優れている部分として認識されていると知ることができ、新たな自分の良い面を見られる可能性があります。

自己分析・他己分析については以下の記事や講座で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。


また、定量的なデータをもとに自分自身の理解を深めたい場合は以下の診断ツールを活用して見てもよいでしょう。

5-3 「自分の意見」と「他人の評価」を分けて考える

「自分の意見」と「他人の評価」を分けて考える癖をつけるようにしましょう。

例えば、相手と議論してあなたの意見に対して反対の意見が出たとしても、それはあなた自身の評価を下げる意図ではなく、お互いが考えを出し合った結果だととらえてみましょう。あなたが考えを主張したからこそ、相手も考えを主張して健全な議論が生まれたのであって、後ろ向きに考える必要はまったくありません。

また、場合によっては自分自身の思い込みが原因で議論が発生していることもあるため、自分自身の意見を客観的に評価してみることも大切です。

5-4 前向きになる言葉を日常的に使う

「プライミング効果」という言葉をご存知でしょうか。見たり聞いたりした情報や内容がその人の考えや行動に及ぼす影響を意味する用語です。

自己肯定感を高めるうえでも、前向きな言葉を継続的に発すればプライミング効果が得られ、自身の考えや行動に前向きな影響がもたらされます。

例えば、「疲れた」ではなく「よく頑張った」、「失敗した」ではなく「挑戦した」、「喧嘩した」ではなく「考えを主張し合った」など、前向きな言葉に変換すれば、気持ちも自然と前向きになり、次の行動にもポジティブな影響を及ぼすでしょう。

5-5 成功体験を作る

成功体験を重ねることで自己肯定感を高められます。とはいえ、いきなり大きな成功を求める必要はありません。まずは身近にある小さなことに取り組んでみましょう。ここでいう成功とは、「期日前に余裕を持って課題を進められた」「クライアントからお褒めの言葉をもらった」など些細なものでよいのです。

例えば就職活動を控えた学生であれば、「不足しているスキルを身につけるためにビジネス書を読んだり講座を受けたりした」「会社や企業研究のために自発的にミートアップに参加した」など、一歩踏み出した体験を成功体験ととらえましょう。行動を起こした自分を認めて褒めることが、自己肯定感の向上につながります。

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6.まとめ

自己肯定感を高めるには、自分と他人を比較したり、できない自分を否定したりするのではなく、ありのままの自分を受け入れ認めてあげることが大切です。もしあなたが自己肯定感を持てていないように感じるなら、小さな成功体験を着実に積み重ね、徐々に自分自身を受け入れられるところから始めていきましょう。
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執筆:My CareerStudy編集部

執筆:My CareerStudy編集部

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