社会人基礎力「ストレスコントロール力」とは?必要な理由や身に付ける方法を解説

社会人基礎力「ストレスコントロール力」とは?
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公開日
2023/11/16

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社会人基礎力「ストレスコントロール力」とは?必要な理由や身に付ける方法を解説

社会人基礎力の一つであるストレスコントロール力。社会に出るといっそう、ストレスと上手に向き合い自ら解決していく力が求められます。
この記事では、社会人になるにあたって身に付けておきたいストレスコントロール力に注目し、その概要や身につけるための方法などを解説します。

1.社会人基礎力とは?

社会人基礎力とは?

社会人基礎力とは経済産業省が2006年に提唱したものです。
「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)から構成され、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」を指しています。
参照:経済産業省「社会人基礎力」
My CareerStudyの「社会人基礎力とは?」講座では、社会人基礎力の概要やその重要性などについてわかりやすく説明しています。より詳しく知りたい人は、ぜひご活用ください。
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2.社会人基礎力における「ストレスコントロール力」とは?

社会人基礎力における「ストレスコントロール力」とは?

ストレスコントロール力とは、社会人基礎力「チームで働く力」の一つであり、「ストレスの発生源に対応する力」のことです。
経済産業省では、「ストレスを感じることがあっても、それを成長の機会だとポジティブにとらえ、肩の力を抜いて対応できる」ことをストレスコントロール力がある人の例として挙げています。また、ストレスの原因を突き止めて自力で発散できるほか、他人に相談したり別のことに取り組んだりしてストレスとうまく付き合っていけることも求められます。
参照:経済産業省「社会人基礎力に関する研究会-『中間取りまとめ』-」
国立国会図書館インターネット資料収集保存事業のHP上で確認(2023年11月16日閲覧)

2-1 ストレスコントロール力が求められる理由

生活を送るうえでストレスを避けては通れませんが、社会人になるとストレスに直面する機会はさらに増えるといわれます。
社会人は、職場環境や人間関係、仕事や働き方そのものなど、さまざまな要因でストレスを受けやすい環境に身を置いています。また、予測不能な出来事や思いもしない変化も多く発生します。
身の回りで起きる物事に対処できない状態が続くと、不調やトラブルの原因になってしまうケースもあります。
しかし、ストレスコントロール力を身に付けておくことで、仕事や日常生活に前向きに取り組めます。また、トラブルが発生してストレスを感じても、落ち着いて適切な行動を取れるようになるでしょう。 

2-2 ストレスコントロール力がある人の特徴

前述したとおり、ストレスコントロール力がある人とは単純に「ストレスに耐える力がある人」という意味ではありません。自身のストレスの原因を知り、どうすれば解決できるか考えアクションを起こせる人、またリフレッシュする機会を自発的に設けてストレスとうまく付き合っていける人のことです。
例えば、次のようなアクションを起こせる人はストレスコントロール力が高く、ストレスとうまく付き合えるタイプといえます。

  • 課題や研究で多忙だが、自分は人と話すと気分転換になるため、週に一度は友人と会ってリフレッシュする時間を取ることにしている。
  • アルバイトで、他の人も同じことをしているのに自分だけが店長に𠮟られてストレスを感じた。しかし「店長は自分が嫌いだからしかったのではなく、お店をより良くするためにしかっているのだ」と考えることで、心を落ち着かせた。

My CareerStudyの動画講座では、このようにストレスコントロール力がある人とない人の違いを具体的なシチュエーションとともに比較しています。詳しく知りたい人は、次の講座を参考にしてみてください。
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3.ストレスの種類と具体例

ストレスの種類と具体例

ストレスにはいくつかの種類があり、次のように分けられます。

  • 社会的要因(人間関係、学業や仕事の忙しさなど)
  • 身体的要因(病気や睡眠不足など)
  • 環境的要因(天候や騒音など)
  • 心理的要因(不安や悩み)

そして、ストレスは対処できるかどうかの違いによって次のように分類することも可能です。
それぞれの具体例を表にまとめると以下のとおりです。

ストレスの分類

  • 自分でコントロールできるストレス
    → 例: 緊張、不安、寝不足など一時的な不調
  • 自分でコントロールするのが難しいストレス
    → 例: 天候、事故、災害
  • 将来的にコントロールできる可能性があるストレス
    → 例:経済的な問題、人間関係

例えばストレスの分類のなかでも「自分でコントロールできるストレス」は、自分自身に要因がある場合が多いため、自分自身の性格や考え方の傾向を理解することで対処しやすいでしょう。
自分が抱えているストレスの種類や分類がどれに該当するのかを分析し、どうすればコントロールできるのか対処法を考えることがストレスコントロール力を高めるための第一歩となります。

4.ストレスコントロール力を身に付けるためにできること

ストレスコントロール力を身に付けるためにできること

ストレスコントロール力を身に付けるためのポイントを4つご紹介します。
ストレスコントロール力を身に付けるためのより実践的な方法を学びたい方には、My CareerStudyの「ストレスコントロール力」の講座がおすすめです。
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4-1 ストレスの原因を突き止める

まずは、自分が抱えているストレスの発生源を突き止めることから始めましょう。
ストレスは、きっかけとなる具体的な出来事がある場合もあれば、ストレスを感じているものの要因がはっきりしない場合もあります。
そこで、いつからストレスを感じ始めたのか振り返るとともに、生活の変化やトラブルの発生などストレスの要因を探ります。要因が判明したら、前述したストレスの3分類のどれに当てはまるか冷静に考え、状況を客観的に把握しましょう。
今抱えているストレスが自分でコントロールできるものなのか、それとも自分だけではコントロールが難しいものなのかを切り分けて考えるだけでも、ストレスコントロール力を身に付ける練習になります。

  • インターンシップ・仕事体験
  • 就職活動やキャリアに関するイベントやセミナー
  • 大学のキャリアセンターでの面談

積極的にキャリアを考える機会に飛び込むことで、周りにどういう働き方をしている人がいるのかを知ることができ、自身の選択肢が増え、視野が広がります。

4-2 ストレスの原因に対し、どう向き合うか考える

次に、突き止めたストレスの原因に対し、どう向き合っていきたいのかを考えます。
自分でコントロールできるストレスであれば、どういったアクションが必要なのか、具体的に考えていきましょう。
問題を解決する際は、自分が主体となる行動に落とし込むことが重要です。他の人の行動や自分でコントロールできないことをアクションに含めてしまうと、自分主体で解決していくことが難しくなってしまいます。
なお、ここでいう「行動」とは、必ずしも他人の目に映るものだけを指してはいません。自分の中の考え方を変えたり、別の観点から物事を見るようにしたりして納得できれば、それもまたストレスに対する有効な「行動」となります。
そして、もし仮に解決策が思いつかなかったとしても、今できる行動を考える前向きな姿勢は重要ですし、一歩でも前に進める可能性が生まれます。
例えば先ほど挙げたアルバイトでの例で考えるなら、「周りもやっているのに、どうして自分だけしかられるんだ」ととらえるのと「店をより良くするために叱ったんだ」と前向きにとらえるのとでは、ストレスに対する向き合い方が大きく違います。考え方も含め、「ストレスにどう向き合うか」を模索していくことが重要なのです。

4-3 ストレスの原因に対して行動を起こす

どう向き合うかを決めたら、実際の行動に移していきましょう。一度に解決できるとは限らないので、少しずつでも構いません。今できることをするのが大切です。
そして、行動を起こしたことで事態がどう変化したか、行動を起こした自分自身は何を感じたかを振り返ります。得た気付きがあればそれを次のアクションに活かし、再び原因に向き合います。
この繰り返しが、ストレスをコントロールすることにつながります。

4-4 自分にあった気分転換の方法を見つける

とはいえ、いつでも冷静に向き合えるとは限りません。また、現在の自分では解決できないストレスも多くあるはずです。
そんなときは、自分にあった気分転換の方法を模索してリフレッシュしましょう。ストレスが原因で不調に陥らないよう、ひとまず今を大切に過ごすことも重要です。 ストレスがある環境をうまく乗り切り、ストレスに対処できるタイミングが来るのを待つこともまた、ストレスコントロールです。
例えば次のようなことが挙げられます。



気分転換の方法

  • ストレスの発生源と異なる環境・コミュニティの友人と会話する
    → 例:ストレスの原因が大学であれば、他の大学の友人を会ってリフレッシュしてみるなど
  • 生活リズムを変える
    → 例: 日常に運動を取り入れる、夜型の生活リズムから朝型に変えてみるなど
  • 新しい趣味に挑戦する
    → 例:サークルに入りコミュニティを増やす、スポーツ観戦やサウナなど今まで経験したことがない趣味を見つけるなど

5.どう対処する?学生だからこそのストレスと向き合い方

どう対処する?学生だからこそのストレスと向き合い方

もちろん、ストレスにさらされる機会が多いのは社会人だけではありません。将来を見据えながらさまざまな活動に自主性を持って取り組まなくてはいけない学生もまた、多くのストレスを抱えています。
学生は、学業に関することはもちろん、進路選択や就職活動、アルバイト、サークルやコミュニティに属する友人との付き合い、一人暮らしでの問題など、さまざまなストレスを受けやすい環境にあります。また、年次が上がるにつれ自主性や責任を求められる機会も増えます。「自分のことだから」と抱え込んでしまい、身体に不調をきたしてしまったりするケースも少なくありません。
そうならないためにも、ご紹介したストレスコントロール力の身に付け方を参考に、自身のストレスの原因を知り、対処法を考え、可能な範囲で行動を起こしてみてください。
学生生活は大変なことも多いですが、新たな環境やコミュニティを見つけやすいというメリットもあります。身近なリフレッシュ法を見つけることや、一生涯大切にできる友人関係をつくることは、卒業後の生活の大きな財産となります。

6.現代のストレス要因とは?コロナ禍以降のストレスと向き合い方

現代のストレス要因とは?コロナ禍以降のストレスと向き合い方

2020年以降の新型コロナウイルス感染症の流行は、人々の新たなストレスの要因となりました。「コロナ疲れ」という言葉に代表されるように、日常生活をマスクで過ごす肉体的な疲れ、さまざまな制約による心理的な疲れ、新型コロナウイルス感染症に対する価値観の違いによる人間関係の悪化と疲弊などがその例です。
現在、人々の生活は徐々にコロナ以前にもどりつつありますが、今後も人々がストレスを感じる場面は多いと予想できます。例えば、リモート可だった仕事や授業が対面形式に戻ることで人に会うのが辛い、通勤や通学が辛いと感じる人が増えたり、マスクなしでのコミュニケーションに違和感や恐怖心を持つ人が増えたりすることも考えられます。
どのような変化が訪れるか予測できない時代をどう生きていくべきか、どうストレスに対処していくかを考えたとき、まずは変化についていこうと頑張る自分を認め、褒めてあげましょう。そして、疲れやストレスの要因について思い浮かぶことを整理し、ここまでに解説した方法で対応や受け止め方を考えてみましょう。
例えば、「授業がリモートから対面形式に戻るため、長時間の通学がつらい」が「コロナ疲れ」の要因であった場合、通勤の時間で好きな音楽を聴いたり、小説を読んだりと通勤時間を有効活用してみましょう。
その他、大学の最寄り駅や途中の乗り換えの駅でおしゃれなカフェを探してみて授業後のご褒美にするのもよいかもしれません。

7.まとめ

ストレスコントロール力を高めれば、身の回りの出来事を前向きにとらえ、成長の機会に変えられます。
現代を生きる私たちとってストレスは避けては通れないものですが、向き合い方次第ではポジティブな人生を送るきっかけにもなります。ぜひ日常にストレスコントロールを取り入れてみましょう。
ストレスコントロール力をより深く学びたい人は、My CareerStudyの「社会人基礎力 ストレスコントロール力」講座をぜひご活用ください。動画形式でわかりやすく、実践的に解説しています。

執筆:My CareerStudy編集部

執筆:My CareerStudy編集部

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