リアクションペーパー(リアぺ)の書き方は?評価ポイントや具体例をご紹介
- 公開日
- 2025/08/08
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リアクションペーパーは、大学の授業でしばしば記入が求められる用紙です。内容の自由度が高い分、何を書けばよいか、またどのように書けば高い評価を得られるのかわからないという人も多いのではないでしょうか。
この記事では、リアクションペーパーの書き方や評価されるポイントなどを解説します。リアクションペーパーの書き方を学び、単位の取得や成績の向上につなげましょう。
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1. そもそもリアクションペーパー(リアぺ)とは?
リアクションペーパーは、講義を受講した際の感想や意見、疑問点などを記入し教授に提出する書類です。しばしば略して「リアペ」とも呼ばれます。また、大学によっては、「ミニッツペーパー」「ワーキングペーパー」「コメントペーパー」などと呼ばれる場合もあります。
リアクションペーパーは、講義やゼミ、実習など、さまざまな形式の授業で活用されています。多くの場合は講義中や講義の終わりに配られ、その場で提出が求められます(講義によっては授業終了後に提出を求める場合もあります)。書くべき量は用紙1枚程度ですが、じっくり時間をかけて書けない分、レポートとは違う難しさがあります。
リアクションペーパーを利用する目的は、大きく以下の3つに分けられます。
- 出席確認
- 学生が抱く疑問点や意見の吸い上げ
- 成績評価の一部としての活用
リアクションペーパーの提出が必要か、評点への影響の有無やその割合などがシラバスに記載されている場合もあります。履修登録の際にチェックしておきましょう。
2. リアクションペーパーの書き方と例
ここからは、一般的なリアクションペーパーの各記載項目の書き方を説明します。具体例も挙げるので、ぜひ参考にしてください。
2.1. 学籍番号や学部名・名前などを記入する
リアクションペーパーには、「いつ、誰が書いたか」に関する情報の記入欄が設けられています。記入欄に従って記入しましょう。
代表的な項目は以下のとおりです。
- 1受講した年月日、時限
- 2学籍番号
- 3学部・学科名
- 4氏名
- 5授業の名称(科目名)
記入に誤りがあると、出席が認められない可能性もあるため正確に記入しましょう。
2.2. 講義内容を踏まえた感想や意見を記載する
リアクションペーパーには、自由記述欄が設けられています。自由記述欄には、講義の内容を踏まえた感想や、あなたが抱いた疑問、意見を記載します。
ここでは、出席確認が目的の場合と成績評価が目的の場合の 2 つに分けて書き方を解説します。
2.2.1. 講義の出席確認が目的の場合
講義の出席確認が目的の場合、書かれている内容を細かくチェックされる可能性は高くはありません。講義に対する感想やコメント、疑問点などを記載すればよいでしょう。
ただし、教授によっては、学生の理解度を知り次回以降の講義に反映したり、質疑応答の場として使ったりする場合があります。講義の理解度を高めるためにも、意見や質問を積極的に書きましょう。
例えば、「ライフステージごとの健康意識の変化」という講義に対してのリアクションペーパーであれば、以下のように記載するとよいでしょう。
本日の講義を通じて感じたことや考えたことを自由に記述してください(200~300文字程度)
今日の講義を受けて、年齢が高くなるほど健康への関心が高まる一方で、学生など 10 代や 20 代が健康にあまり関心を持たないのはなぜか、疑問を持った。
一般的に、高齢者は若年層よりも病気にかかりやすいといわれているが、20 代であっても思いのほか多くの病気にかかるリスクがあることを知り、衝撃を受けた。「もっと自分の身体を大切にしなければいけない」と思ったものの、「若いから問題ない」と考えている学生も一定数いるのではと感じている。
そのため、今後は若い世代が自分の健康について考えるきっかけとなる機会や仕組みが必要なのではないかと思った。
この例のように、講義内容を踏まえて自分の意見や疑問、講義を受けてどのような気付きや考え方の変化があったかなどを記載することが大切です。
なお、「今日の講義は大変興味深いものでした」など、どの講義にもあてはまる内容を記入した場合は、出席と扱われない場合もあります。講義で出た話題を踏まえて書くように心がけましょう。
2.2.2. 成績評価が目的の場合
成績評価を目的とする場合、リアクションペーパーは小テストや小レポートに近い役割を担います。そのため、思ったことを気軽に書けばよいというわけではありません。書いた内容が成績に影響することを認識したうえで書きましょう。
まず、講義で触れられた内容からテーマを 1 つ選びます。特に、興味を持った部分や自身の意見と違った部分を選ぶとよいでしょう。そうしたテーマについて簡潔にまとめつつ、自分の考えを、PREP 法に従い、結論-理由-具体例-結論の順に記載します。
- 1講義のなかから、興味や疑問、意見を持ったテーマを 1 つ選ぶ
- 2上記 1 で選んだテーマについてどう考えたか、感想や意見を述べる
- 3具体例など根拠を挙げつつ、上記 2 で述べた理由を詳細に書く
- 4全体をまとめる
ただし、記入時間は限られているため、講義全体の要約は不要です。理由や具体例を記載することで説得力が増します。
以下で、具体例をご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
▼設問:「法律を知らなかった」という言い分がなぜ原則として認められないのか、講義で扱った『法の不知はこれを許さず(法律を知らないことは罪を免除される理由とならない)』という考え方と関連づけて説明しなさい。
「法の不知はこれを許さず」という原則は、一見すると一般市民には厳しすぎるように思える。法令を知らなければ適切に行動できず、知らず知らずのうちに法令違反となるリスクもある。さまざまな法令を事前に知っておくことは、市民にとっては負担である。
一方で「法の不知はこれを許さず」という原則は、社会の秩序と安全を確保し、安心して暮らせる社会づくりに欠かせないとも思う。人に危害を与えても「刑法を知らなかった」という理由で処罰が免除されると、事件が頻繁に起こる社会となるだろう。また誹謗中傷をおこなった側が述べる「誹謗中傷は表現の自由の範囲内」という理由が認められれば、誹謗中傷があふれる社会となってしまう。
法律を知ることは、社会で活躍し安心して生活するうえで欠かせない要件である。どの進路に進むにしても、法律を勉強する必要性を強く感じた。
3. 事前に知っておこう!リアクションペーパーの評価ポイント
せっかく大学の講義を受講するなら、できるだけよい成績を取りたいものです。 リアクションペーパーで評価されるポイントを知れば、よりよい成績を得ることにつながります。ここからは、リアクションペーパーで評価される 5 つのポイントについて詳しく見ていきましょう。
3.1. 指定された条件を満たしているか
教授や講義によっては、リアクションペーパーに記載すべき内容があらかじめ指定されている場合があります。テーマや文字数はその代表的な例です。指定がある場合はその内容に従いましょう。
指定されている条件が特にない場合は、真剣に受講している姿勢を示すためにも、枠の 8割以上が埋まるように記載しましょう。
3.2. 言いたいことが論理的にまとまっているか
教授に伝えたい内容が明確か、論理的にまとまっているかどうかも、評価のポイントに挙げられます。
リアクションペーパーの記入にかけられる時間は数分程度で、決して長くはありません。講義の内容を 1 から 10 まで書くと時間が不足するだけでなく、ポイントも分散し、文章の主旨がぼやけてしまいます。
あれもこれも書いてしまうと、教授も何を一番伝えたいのか理解しづらくなるため、伝えたいことを絞って、わかりやすくまとめましょう。
PREP 法やレポートの書き方については、以下の記事でも詳しくご紹介していますので参考にしてみてください。
また、レポートの書き方に関する講座もご用意しています。実践的に取り組みたい人はぜひご覧ください。
3.3. 自分なりの考えや意見が記載されているか
大学は、自らの視点や意見、考えを持ち、仮説検証などにより研究を進める場です。リアクションペーパーも、単なる感想だけではなく、自らの意見や考えを記載し、能動的に受講する姿勢を見せることがより高い評価につながります。
また、オリジナリティの高い内容であることも、評価を上げるために欠かせない要因です。 これまでの体験や知識、専攻分野と関連付けて文章をまとめれば、自ら考えて能動的に受講していることを表現できるでしょう。
自分の考えをわかりやすく相手に伝えるうえで必要な「言い換え力」や「要約力」については、以下の講座で詳しくご紹介しています。
3.4. 誤字脱字や日本語の誤用がないか
リアクションペーパーを記入する際には、誤字脱字に注意しましょう。提出前に一度読み返し、誤字脱字がないことを確認したうえで提出してください。
日本語には、同じ読み方でも意味が大きく異なる同音異義語が多数存在します。漢字の誤用や脱字は、意図した内容がうまく伝わらなかったり、誤解されたりする原因になります。
仮に意図どおりに伝わったとしても、誤字や脱字がマイナス評価につながるおそれもあります。
正しい表現かどうか気になる箇所は、使用可能な環境であれば生成 AI による誤字脱字チェックも有効です。生成 AI の使い方や注意点については、以下の記事で詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
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3.5. 「ですます調」と「である調」の使い分けができているか
リアクションペーパーの文体は、「ですます調」か「である調」のいずれかに統一しましょう。大学や教授による指示がある場合は、その内容に従います。指示がない場合はどちらを使っても問題ありません。
もし悩むようであれば、教授への質問や意見が含まれる場合は「ですます調」、レポートに近い内容の場合は「である調」で作成しましょう。
4.まとめ
リアクションペーパーでよい成績を取るには、要点を明確にし、論理的な構成でわかりやすくまとめることが重要です。ただし、講義の時間内に提出を求められるケースも多いため、じっくり時間をかけて練り込むことはできません。論点を絞ったうえで、短い時間のなかでも一貫性のある文章を作るとよいでしょう。
リアクションペーパーは、書く回数を重ねることで少しずつコツがつかめるようになります。まずは基本を意識しながら、実践していくことが大切です。
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執筆:My CareerStudy編集部
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