評価される大学・学校のレポートの書き方は?書き出しやまとめるコツを紹介
- 公開日
- 2024/2/14
- 更新日
- 2024/10/09
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大学や高校でレポート作成の課題が出され、「書き方がわからない」「どのような内容であれば評価されるのか」など、疑問や不安を感じたことがある人は多いのではないでしょうか。
この記事ではそのような人に向けて、レポートを書くときのコツやおさえるべきポイントを解説します。評価されるポイントやレポート作成を通じて得られるスキルも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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目次
1.そもそもレポートとは?小論文や論文との違いは?
レポートとは、与えられたテーマに対して客観的な事実をもとにあなた自身の考察を加えて作成する学術的な文書です。
一方、小論文は与えられたテーマに対するあなた自身の考えや意見を主張するものです。また論文は、あなた自身がテーマを提起し、客観的な事実やデータを用いながら論理的に報告内容をまとめたものです。
整理すると以下のとおりです。
この表からもわかるとおり、共通するのは問題提起・論証(根拠やデータ)・結論という要素が必要になることです。
種類 | テーマの設定 | 内容 |
---|---|---|
レポート | 教授などから提起される | 客観的な事実に基づいて作成 |
小論文 | 教授などから提起される | 自身の考えや経験に基づいて作成 |
論文 | 自身で提起する | 客観的な事実に基づいて作成 |
2.レポートにはどのような種類がある?
レポートは大きく3つの種類に分けられます。
論考型レポート
論考型レポートとは提起されたテーマに対し、根拠とあわせてあなたの考えや主張をまとめるものです。一般的にレポートと呼ばれるものはこれにあたり、客観的かつ論理的にテーマに対する見解を示すことが求められています。
例えば、論考型レポートには以下のようなテーマがあります。
- P.F.ドラッカー著「マネジメント[エッセンシャル版] 基本と原則」を読み、書評をまとめなさい
- 生成AIが今後我々の生活に与える影響について、あなたの考えを記述しなさい
自由記述型レポート
自由記述型レポートとは、提起されたテーマに対してあなたの考えをまとめるものです。テーマに対する明確な答えがない場合が多いため、記載する内容の自由度が高く、主観的な感想が求められるケースもあります。
しかし、ただ感想を述べるだけではレポートとしては成立しないため、関連書籍や資料などを参考に、あなたの感想を裏付ける客観的な根拠も記載するようにしましょう。
例えば、自由記述型レポートには以下のようなテーマがあります。
- 芸術の発展に貢献したと考える人物を一名取り上げ、その人物が何をもたらしたのかについて、あなたの考えとその根拠を記述しなさい
- 映画作品を1つ取り上げ、選出の理由と、作品のなかで特徴的だと感じる部分をまとめなさい
実験型レポート
実験型レポートとは、実験や講義で得られた結果をもとに学んだことや理解したことをまとめ、あなたの考察を加えて報告するものです。そのため、ほかのレポートに比べて事実を述べる割合が多くなります。
実験の方法や実験器具の扱い方などの事実は過去形で記載し、自身の考察・推論は現在形で書き分けるようにしましょう。
- 運動と健康の関連性について、本講義で示したデータを参考にあなたの考察を交えて記述しなさい
- さまざまな物体同士の摩擦抵抗について、関連するデータをもとにあなたの考察を述べなさい
3.レポートの基本的な構成
レポートは、序論・本論・結論の順番でまとめます。この順番は起承転結と同様の役割を果たし、文章が論理的に整理されて読み手にわかりやすく伝わるようになります。
それぞれ詳しく解説します。
表紙
表紙には、レポート提出にあたり基本的な情報を記載します。主に以下を記載する必要があります。
- 提出日
- 担当教員の氏名
- 講義名
- レポートのタイトル
- 学年・学部・学科
- 学籍番号や出席番号
- 氏名
レポート提出用紙を添えるよう指示がある場合は、各大学・学校の記載内容にしたがって基本情報を別途記入し、添付するようにしましょう。
序論
序論では、レポートで何をテーマとして取り上げて明確にするのか、目的は何なのかを記載します。つまり、読み手に対しレポートに記載している内容を簡単に紹介し、以降のページへ誘導するための項目です。序論で書かれていることと本論・結論で書かれている内容に齟齬が出ないように注意しましょう。
序文はレポート全体の文字数のうち10%程度でまとめるのが一般的です。
本論
本論では、序論で提起した内容に対して、客観的な根拠を用いながらあなたの考察などを具体的に記載します。適切な資料を参考にしているか、筋道の通った内容になっているかが評価ポイントとなり、説得力のある考察ができているかが重要となります。
本論はレポート全体の文字数のうち80%程度を占める中心的な役割を担います。
結論
結論では、本論で述べた内容を要約してまとめます。レポート内で明確になったことやあなたの主張を簡潔に記載しましょう。今後の展望やまだ解決していない課題など、将来に言及するとさらによいレポートに仕上がるでしょう。
結論はレポート全体の文字数のうち10%程度でまとめるのが一般的です。
参考文献
参考文献では、レポートを作成する際にあなたが参照・引用した出典先を記載します。記載のポイントとしては、読み手もあなたが参照・引用したものと同じ情報にたどり着けるかどうかです。具体的には以下をおさえておきましょう。
- 著者・作者名
- 出版年・作成日
- 出版社
- 書籍名・Webサイトのタイトル
- インターネット上の情報であればURLなど
参考文献を正しくまとめることで、レポートにあるデータなどの根拠の信頼性を高める効果があります。なお、書籍の場合とインターネットのWebサイト情報の場合では記載方法が異なります。詳細は後述します。
4.評価されるレポートの書き方
実際に他己分析をおこなう際のやり方を紹介します。以下の順に沿って進めてみましょう。
課題内容や期日の確認をおこなう
与えられた課題内容の確認など、事前準備をおこなってから書き始めましょう。いきなり書き始めてしまうと、指定された内容からずれてしまったり散文的になってしまったりする可能性があります。課題内容を整理し、必要な要素と情報を明らかにして、それでも疑問が残る場合は教授に方向性を確認してみるのがおすすめです。
また、スケジュールを確認して期日までに提出するにはどのように進めればよいかを検討しましょう。場合によっては、アルバイトやサークルなどの予定を調整する必要があるかもしれません。
スケジュールを立てる際に意識したいのが「タイムマネジメント」です。タイムマネジメントは、単に時短をするのではなく、よりよい成果(レポート)を出すためにどのように時間を使えばよいかを考えることです。
タイムマネジメントは社会人になってからも役に立つスキルです。
「レポートの提出がギリギリになりがち」「スケジュールを立てるのが苦手」という人は、My CareerStudyの「やりたいことを実現するためのタイムマネジメント講座」を受講してみましょう。
講座を受けることで、時間の使い方にメリハリをつけて、目の前のタスクを効率的に処理するためのポイントを実践的に学べます。
レポートを書くために必要な情報を収集する
レポートを書く際には、情報収集をしっかりとおこなうことが大切です。
情報には一次資料と二次資料があります。一次資料とはデータや調査結果などが執筆者によって作られたオリジナルであることを意味し、二次資料とは一次資料をもとに作られた間接的な資料を意味します。情報収集の際は、情報元となる一次資料を活用しましょう。
情報収集する際には、インターネットで文献を探すほか、必要な情報が学校内の図書館にない場合は国立国会図書館や市民図書館などで探してみてもよいでしょう。
情報の集め方について実践的に学びたい人は、My CareerStudyの「学生生活で役立つ!情報収集の基礎」も参考にしてください。大学でのレポートや論文作成に活用できる情報収集のコツをご紹介しています。
情報をもとに自分の考えと着地点をまとめる
集めた情報を参考にしながら、考えと着地点をまとめてみましょう。
具体的には、手元にある情報を「なぜそうなるのか?」と深掘りし、あなたなりの仮説を立ててみることです。仮説を立証できる更なる情報があれば、着地点が明確にみえてきます。
執筆する前に構成を決めておく
レポートの構成は前述のとおり序論・本論・結論ですが、それぞれの項目に対する構成を作成すると執筆をスムーズに進められます。
収集したデータから重要な部分を読み取り、各項目でどのような内容を書くか、簡単にまとめましょう。事前に構成が指定されている場合は、項目に漏れがないように注意します。
課題の目的や読みやすさを意識して書く
レポート作成の際は、課題の目的を明確にできているか、読み手が読みやすいかを大切にしましょう。
また、論理的に矛盾している部分はないか、飛躍しすぎていないかという点に注意すると、目的がはっきりとした読みやすい文章に近づけられます。
第三者の視点に立って読み直す
レポートの作成途中もしくは作成後に第三者の視点で読み直すことをおすすめします。
誤字脱字や文末表現の統一、事実と考察が明確に分けられているかなど、客観的に伝わりづらい部分がないかを確認しましょう。友人にあなたのレポートを読んでもらい、わかりづらい部分を教えてもらうなど、第三者の視点を加えてみるのも効果的です。
表紙やファイル名などの体裁を再確認する
作成したレポートの体裁が以下の基本的な形式通りになっているか、提出前にしっかりと確認しましょう。主な確認ポイントは以下のとおりです。
- 表紙に必要な情報が漏れなく記載されていること(レポートのタイトル、学籍番号と氏名、提出年月日など)
- 文末は、です・ます調ではなく、である調で統一されていること
- フォントや文字サイズ、左右の余白が指定のものと合っていること
- 一人称(私など)は使用していないこと
- 半角の算用数字を用いること
- 適切に改行し、段落を設けていること
- 段落の文頭は全角一文字分のスペースを空けていること
- 印刷する場合は、用紙のサイズや向きが適切であること(A4サイズ、縦向きなど)
ただし、学校によって指定されているルールやフォーマットが異なる場合もあるため確認しておきましょう。
必ず期日までに提出する
レポートは期日までに提出するようにしましょう。期日を過ぎてしまうと、どれだけよいレポートを作成しても受け付けてもらえない可能性があります。
大学の場合、大学のポータルサイト上での提出、研究所への紙での提出など、ゼミや教授によって方法や方式が異なる場合もあります。
一方で、高校の場合は授業中や朝のホームルームで提出を求められるケースがありますが、こちらも学校や先生によって異なります。
期日を意識して行動するくせをつけておくことは、学生のうちだけでなく社会人になってからも役立ちます。
My CareerStudyでは、「学生から社会人まで使える!タスク管理ツール活用術」を受講できます。タスク管理は仕事でもプライベートでも活用できるので、苦手意識がある人は参考にしてください。
5.レポートを書く際のコツ・注意点
続いて、実際にレポートを書く際のコツや注意点をご紹介します。
PREP法に基づいて書く
PREP法とは相手に伝わりやすい構成モデルのことで、以下の頭文字を取ったものです。
- Point(要点や結論)
- Reason(理由)
- Example(具体例)
- Point(要点や結論)
まずは要点や結論を述べます。次にデータなどの根拠を示しつつ理由を説明し、最後にもう一度結論を述べます。この方法に則ってレポートを書くことで、読み手に伝わりやすい整理された内容になります。
事実と自分の考えを混同せず、分けて扱う
客観的な事実と自身の考えが混同しないように注意しましょう。それぞれをしっかりと分けて記載する必要があります。どこまでが事実でどこからが自身の考えであるかを明確にし、読み手を混乱させることのないよう、読みやすい内容を心がけます。
盗用やコピー&ペーストは絶対にしない
盗用やコピー&ペーストは絶対にしないようにしましょう。引用元を明示せずにコピー&ペーストしてしまうと、講義の単位が取得できないばかりか著作権法違反になる可能性があります。
参考文献の引用方法を守る
参考文献の引用方法を守ることも非常に重要です。
主な参考文献としては、書籍や論文、インターネットのWebサイトが挙げられます。書籍を参考にした場合は、著者・作者名、出版年・出版社、タイトルなどを記載し、インターネット上のデータを参考にした場合は、サイト名とURLを記載します。
ただし、Webサイトを引用する場合は許可を取ったり指定された引用方法を順守するよう求められたりするケースがあるため、引用元を丁寧に確認しましょう。
著者名. 『書籍名』. 出版地, 出版社名, 出版年, 総ページ数.
【例】
My CareerStudy編集部. 『レポートの書き方講座』. 東京, マイナビ出版, 2023, 300p.
著者名. 「論文名」. 『掲載誌名』. 編集者名. 出版地, 出版社名. 出版年, p始めーp終わり.
【例】
My CareerStudy編集部. 「レポートの書き方講座」. 『マイナビ全集』. マイナビ太郎. 東京, マイナビ出版. 2023, p200ーp300.
著者名. 「ページ名」 . Webサイト名 . 出版年(更新日) . ページのURL , (最終閲覧日).
【例】
My CareerStudy編集部. 「レポートの書き方講座」. My CareerStudy. 2023. http://aaaaa.html, (参照2023-00-00) .
主張を裏付けるエビデンスを示す
エビデンスがなければ、あなたが主張したい内容に説得力を持たせるのは困難です。自身の主張を裏付ける一次情報のデータを示すことで、客観的事実に基づいた主張となります。主張の根拠になるのはどの情報かを常に意識しながらレポート作成を進めましょう。
レポートに独自性があるか考える
独自性のあるレポートとは、あなただからこそ書くことができたレポートのことです。参考文献の情報のみでなく、得た示唆をもとに独自の考察や見解を示せているかが重要です。
多くの場合、レポート作成課題は「自分の考えを明らかにする学びを体得してほしい」という意図から課されています。つまり、あなたなりの考察や見解を独自性として見出すことが重要になります。
6.社会に出てからも役に立つ文章術
レポート作成の経験は、社会に出てからも活用できます。ここからは、就職してからのメールの文章やプレゼン資料の作成にも活かせる文章術をご紹介します。
話し言葉と書き言葉を使い分ける
話し言葉と書き言葉を適切に使い分ける意識を持つことで、相手にストレスを与えないコミュニケーションが可能になります。
例えば、「ら抜き言葉」は話し言葉としては問題ありませんが、書き言葉としては相手に違和感を与えてしまいます。具体的には、「みれる」は話し言葉で、書き言葉としては「みられる」になります。シーンに合った言葉の使い方を意識しましょう。
接続詞や句読点は適正に使用する
接続詞や句読点は、文章をスムーズに理解するために効果を発揮するものです。例えば、接続詞で「しかし」を使う場合、あとに続く文章は前の文章と逆の意味を指します。接続詞の使い方を間違えてしまうと、意味がつながらなかったり、相手に間違った伝わり方をしてしまったりする恐れがあります。
また、句点は文末に、読点は声に出して読んだときに間を置くポイントで打つなど、相手にとって読みやすい文章作成を意識しましょう
連続して同じ助詞を使用するのは避ける
同じ助詞が連続すると、相手にとって読みづらく違和感のある文章になります。例えば、以下のような文です。
助詞の「は」が連続しており違和感があります。
上記の文であれば、同じ助詞が連続しておらず読みやすい文章になります。
メールなどの文章を見返すなかで助詞を連続して使っている場合は、適切な文章を考え直してみましょう。
あいまいな表現や誇張表現の多用は避ける
あいまいな表現や誇張表現を多用すると、文章が読みづらくなります。例としては、「〜かもしれません」「〜だと考えられます」「〜のようです」などが挙げられます。また、誇張表現には「徹底して」「絶対に」などがあります。
あいまいな表現が文中に多くあると、相手に自信がない人だと認識されてしまいます。また誇張表現が多い場合は、本当にその情報を信じていいのかと相手に不信感を与える可能性があります。いずれも、多用しないように気をつけましょう。
二重否定など読み手がわかりづらい表現は避ける
二重否定の文章は読み手にとってはわかりづらい表現となるので、避けるようにしましょう。
例えば、「時間がないわけではない」は「ない」が2回入った二重否定の文章です。時間があることを意味していますが、回りくどく感じます。時間があるとはっきり記載するほうがよりストレートに相手に伝わるでしょう。
7.まとめ
レポートの作成では、あなたの考察を明らかにしつつ、その考察に説得力を持たせるために根拠を適切に用いて筋道の通った文章を書くことが求められます。また、レポート作成のルールを守っているかどうかも評価に影響します。
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執筆:My CareerStudy編集部
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