線虫の研究から“地方”の国家公務員へ。
- この記事を書いた人物:
- わたなべ・九州経済産業局 総務企画部 総務課人事係
- 記事テーマ:
- 文系なのに?!理系なのに?!その仕事を選んだ理由
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Q 学生時代の専攻と現在の職業を教えてください。
A 線虫の研究から“地方”の国家公務員へ。
大学では農学部の線虫学研究室に所属していました。「線虫」とは肉眼で見えないほど微少な線形の生物のことです。植物に寄生すると農作物に被害が出てしまうことがある一方、がんを嗅ぎつける能力が注目されてがん検査への利用も試みられるなど、実は人の暮らしに近い存在です。
高校時代は生物の勉強が好きで、ちょうど「理系女子(リケジョ)」に脚光が当たっていた時期でもありました。ぼんやりとですが白衣や顕微鏡への憧れが強くて、農学部を選択。専攻を決める時は「虫は嫌いだけど、眼で見えなければ大丈夫かも」と。振り返ればノリと勢いで、線虫の世界へ踏み込んでいました…。
卒業論文で研究対象にしたのは「サツマイモネコブセンチュウ」。この線虫が植物に寄生して根にこぶを作ると、養分が吸われて枯れたり、奇形になったりしてしまい、農作物としての出荷が難しくなります。成虫で1~2ミリ、幼虫は1ミリ以下の小さな存在が植物をどのように嗅ぎつけていくのか、コツコツとデータを集めて原因を探りました。
今は経済産業省の地方ブロック機関である「九州経済産業局」の総務課で、新規採用活動などの人事業務をしています。福岡市という地方で勤務していますが、国家公務員(一般職)です。
入省当初は産業課で価格転嫁(企業がコスト上昇分を製品・サービスの価格に反映させること)の円滑化に関する業務、次の資源・燃料課で「鉱業法」(鉱物資源の安定供給のため「鉱業権」という権利などを定めた法律)の審査や許認可に関する業務をしました。経済産業省なので局内には経済学部出身者が比較的多いですが、私のような農学部出身、理系も珍しくなく、女性職員もたくさんいます。
高校時代は生物の勉強が好きで、ちょうど「理系女子(リケジョ)」に脚光が当たっていた時期でもありました。ぼんやりとですが白衣や顕微鏡への憧れが強くて、農学部を選択。専攻を決める時は「虫は嫌いだけど、眼で見えなければ大丈夫かも」と。振り返ればノリと勢いで、線虫の世界へ踏み込んでいました…。
卒業論文で研究対象にしたのは「サツマイモネコブセンチュウ」。この線虫が植物に寄生して根にこぶを作ると、養分が吸われて枯れたり、奇形になったりしてしまい、農作物としての出荷が難しくなります。成虫で1~2ミリ、幼虫は1ミリ以下の小さな存在が植物をどのように嗅ぎつけていくのか、コツコツとデータを集めて原因を探りました。
今は経済産業省の地方ブロック機関である「九州経済産業局」の総務課で、新規採用活動などの人事業務をしています。福岡市という地方で勤務していますが、国家公務員(一般職)です。
入省当初は産業課で価格転嫁(企業がコスト上昇分を製品・サービスの価格に反映させること)の円滑化に関する業務、次の資源・燃料課で「鉱業法」(鉱物資源の安定供給のため「鉱業権」という権利などを定めた法律)の審査や許認可に関する業務をしました。経済産業省なので局内には経済学部出身者が比較的多いですが、私のような農学部出身、理系も珍しくなく、女性職員もたくさんいます。
Q この職業を目指した理由や目的は何でしたか?
A 経済産業政策で九州を元気に!
ライフステージに合わせて長く、安定して働きたいと考えて、最初は地元の県庁や市役所など地方公務員を目指していました。採用試験の区分も農業に関する分野を想定していたのですが、大学の公務員講座で「経済産業局は区分を問わず挑戦できる」と聞き、興味がわいてオンライン説明会に参加しました。
説明会では先輩職員の方が楽しそうに仕事の話をしていて、他の官公庁とは雰囲気が違うなと感じました。理系の先輩が半導体産業に関する業務のことを紹介してくれて、「経済学部じゃなくてもいいんだ…!」「若手なのに大きな仕事、バリバリ働いてる!!」と志望度が上がりました。大学4年生の2月頃だったので、経済産業局の存在を知ったのは遅い方だと思います。他の公務員試験も受験はしましたが、「経済産業政策を通じて九州全体を盛り上げていきたい」という思いが強くなり、局が第1志望でした。
説明会では先輩職員の方が楽しそうに仕事の話をしていて、他の官公庁とは雰囲気が違うなと感じました。理系の先輩が半導体産業に関する業務のことを紹介してくれて、「経済学部じゃなくてもいいんだ…!」「若手なのに大きな仕事、バリバリ働いてる!!」と志望度が上がりました。大学4年生の2月頃だったので、経済産業局の存在を知ったのは遅い方だと思います。他の公務員試験も受験はしましたが、「経済産業政策を通じて九州全体を盛り上げていきたい」という思いが強くなり、局が第1志望でした。
Q 今でも活きている学生時代の経験や学びはありますか?
A 目の前の1個1個の作業を着実に進めること。
卒業論文に向けた研究では、データ集めがうまくいかないことも時々ありました。最終的には結果を形にできましたが、「なぜだろう?」と原因を突き詰めて、目の前の1個1個の作業を着実にしていくことが大事だ、というのがその時の学びです。
現在の人事業務では大学生向けのリクルート活動のほか、職員に支給される各種手当(通勤する時の交通費、賃貸住宅の家賃補助などをイメージしてください)の認定・計算なども担当しています。申請書類の内容を確認し、要件と照らし合わせて、数字を細かく一つ一つ計算していく業務は、卒論の時の地道な研究に似ているなと感じています。
入省3年目の今、「九州の活性化に貢献したい」と志望したものの、この地道な計算作業のように「自分の仕事は本当に社会の役に立っているのだろうか?」と疑問に思うことも…実はしばしば。ですが、目の前の作業の1個1個を着実に進めていくことが、ゆくゆくは局の組織理念である「未来につなぐ、活力ある九州の実現」にもつながるんだ、とそのたびに考え直しています。確かに地味な作業ですが、このような管理業務も局が組織として機能するために大事なことですよね。
経済産業局の仕事内容は、中小企業の支援や資源・エネルギーに関する規制業務、今の私のような管理業務など本当に幅広いので、経済学部出身でなくとも、学生時代の経験は何かで必ず活きます。私自身もつい数年前まで大学生の立場だったので、メイン業務であるリクルート活動では学生の皆さんに少し近い目線・感覚で、局のことを紹介していきたいなと思っています。学生の皆さんと話す機会を含め、1個1個の私の業務が九州の元気につながっていくことを信じて…。
現在の人事業務では大学生向けのリクルート活動のほか、職員に支給される各種手当(通勤する時の交通費、賃貸住宅の家賃補助などをイメージしてください)の認定・計算なども担当しています。申請書類の内容を確認し、要件と照らし合わせて、数字を細かく一つ一つ計算していく業務は、卒論の時の地道な研究に似ているなと感じています。
入省3年目の今、「九州の活性化に貢献したい」と志望したものの、この地道な計算作業のように「自分の仕事は本当に社会の役に立っているのだろうか?」と疑問に思うことも…実はしばしば。ですが、目の前の作業の1個1個を着実に進めていくことが、ゆくゆくは局の組織理念である「未来につなぐ、活力ある九州の実現」にもつながるんだ、とそのたびに考え直しています。確かに地味な作業ですが、このような管理業務も局が組織として機能するために大事なことですよね。
経済産業局の仕事内容は、中小企業の支援や資源・エネルギーに関する規制業務、今の私のような管理業務など本当に幅広いので、経済学部出身でなくとも、学生時代の経験は何かで必ず活きます。私自身もつい数年前まで大学生の立場だったので、メイン業務であるリクルート活動では学生の皆さんに少し近い目線・感覚で、局のことを紹介していきたいなと思っています。学生の皆さんと話す機会を含め、1個1個の私の業務が九州の元気につながっていくことを信じて…。
所属企業
九州経済産業局
九州経済産業局は、経済産業省の地方ブロック機関です。
国家公務員として、福岡から九州経済を活性化させるための各種政策を企画・実行しています。
活力ある九州の実現のため、中小企業支援や海外展開支援といった産業振興から、エネルギー対策、消費者保護に至るまで、多岐に渡る業務を担っています。
自治体や経済団体などの関係機関と連携しながら、九州経済の持続的な成長に向けて様々な経済産業施策を展開しています。