大学・学校のレポートや論文の参考文献はどう書く?正しい引用の表記方法もご紹介

大学・学校のレポートや論文の参考文献はどう書く?正しい引用の表記方法もご紹介

  1. HOME
  2. Career Tips
  3. 大学・学校のレポートや論文の参考文献はどう書く?正しい引用の表記方法もご紹介
公開日
2025/08/29

この記事は7分で読めます

大学・学校のレポートや論文の参考文献はどう書く?正しい引用の表記方法もご紹介

大学や学校のレポートや論文を書く際、「参考文献はどう書けばよいのだろう」と悩んだことがある人も多いのではないでしょうか。

なんとなく後回しにしがちな参考文献ですが、レポート全体の印象や評価に関わってくる大事なポイントです。この記事では、参考文献の基本から正しい書き方、よく使われるスタイルまで、わかりやすく解説します。 初めてレポートに取り組む人も、もう一度基本を確認したい人も、ぜひ参考にしてください。

My CareerStudyの動画講座ではアカウント登録をすることで誰でも無料で社会で役立つ知識やスキルを身につけることができます。

1.参考文献って何?記載する理由とは

参考文献って何?記載する理由とは

参考文献とは、レポートや論文を作成する際に他者の書籍・論文・Webサイトなどから引用・参照した情報のことです。一般的に参考文献は、本文中で引用・参照した箇所に記載し、レポートや論文の最後に参考文献リストとしてまとめます。

参考文献を記載する理由と目的は主に以下の4つです。

  • 出典を明示しないと著作権法違反となる恐れがあるため
  • 自分の見解部分を明らかにするため
  • 先行研究者の業績に敬意を払うため
  • 読み手に情報を提供するため

引用元を記載せず、あたかも自分の意見であるかのように用いた場合、著作物の内容を意図的に盗み改変したと受け取られることもあるため注意が必要です。

評価されるレポートの書き方については、以下の講座や記事でも解説していますのでご覧ください。

参考:独立行政法人 科学技術振興機構「参考文献の役割と書き方」(国立国会図書館 インターネット資料収集保存事業ホームページにて閲覧)

2. 間違えやすい「引用」「転載」「出典」「参考」の違い

間違えやすい「引用」「転載」「出典」「参考」の違い

レポートや論文を書く際によく使われる、引用、転載、出典、参考といった言葉。 似ている言葉ですが意味や使い方はそれぞれ異なり、正しく使い分けることで情報の信頼性が高まると同時に著作権のトラブルも防げます。基本的な違いを確認しておきましょう。

2.1.引用

引用とは「他の人が書いた文章や事例、古人の言葉などをそのまま自分の文章などに取り入れること」を意味します。出典を明記することで、自分の意見と他人の意見を区別できます。

引用には、文章をそのまま用いる直接引用と、内容を要約して自分の言葉に置き換える間接引用があります。どちらも出典を明示する必要があり、出典を明らかにしない引用は盗作やコピペと見なされるおそれがあります。

2.2. 転載

転載とは「既刊の印刷物の文章・写真などを他の印刷物に移し載せること」と定義されています。つまり、他人が作成した著作物をそのまま別の場所で公開する行為を意味します。一部ではなく文章や画像の大部分を載せる場合は引用ではなく転載となります。

転載をおこなう場合は、基本的に著作権者の許可を得る必要があります。転載元を明記していても引用の範囲を超えていれば著作権侵害となる恐れがあるため、安易に引用と考えないことが大切です。

2.3.出展

出典とは「故事や成語、引用句などの出どころとなる文献や書籍」を意味します。情報がどこから来たのか、その根拠を示すために記載されるものです。

レポートや論文で出典を明示すると、読者に情報の信頼性の高さを示せます。著作権の侵害を防ぎデータに対する権利を保護するためにも必要不可欠です。

2.4.参考

参考とは「照らし合わせて考えることや、自分の考えや手法を決める手がかりとすること、またその材料のこと」を意味します。

レポートや論文では、直接引用していない場合でも、自分の考えを深めたり構成のヒントにしたりした資料がある場合、それらを参考文献として記載します。本文中で具体的に触れていなくても、考察の背景となった情報であれば、参考として明記しておくことが望まれます。

3. 本文中で引用や出典を記載する方法

本文中で引用や出典を記載する方法

引用や出典を明示する方法には、ハーバード方式とバンクーバー方式の2種類あります。

3.1. ハーバード方式

ハーバード方式では、本文中の引用部分に著者の姓と発行年を記載します。例えば、「○○という指摘もある(山田, 2020)」や「山田(2020)は〜と述べています」といったように、引用箇所のすぐ後ろに括弧で出典を示します。

また、参考文献リストとして、文末や巻末に著者名と文献名を発行年順に並べて記述します。本文で使ったすべての文献は、「山田太郎(2020)『○○に関する研究』○○出版」などの形式で列記します。

この方式は主に人文科学・社会科学系の分野で使われており、引用元が誰の何年の情報かを読み手がすぐに確認しやすいのがメリットです。

3.2. バンクーバー方式

バンクーバー方式では、本文に使用した順番で番号を付けます。番号は上付き文字または①や(1)、[1]のような括弧書きで表記されます。参考文献リストでは、その番号順に対応させて文献を並べていきます。

この方式は、引用が多くなる医療・自然科学系の論文でよく使われており、簡潔に整理しやすいのが特徴です。通し番号は目立ちにくい上付き文字で記載するため、読み手にとっては本文が読みやすいメリットがあります。

4.【分野別】参考文献の書き方

【分野別】参考文献の書き方

参考文献には以下のようにさまざまなスタイルがあります。

スタイル 主な分野 SIST02スタイル 科学技術分野 シカゴスタイル 人文系(歴史学・語学など) APAスタイル 社会科学分野(心理学・社会学など) MLAスタイル 人文系 NLMスタイル 医学・生物分野 ACSスタイル 化学分野 IEEEスタイル 電気・情報工学分野

ここでは、大学のレポートなどでよく使うSIST02、シカゴスタイル、APAスタイル、MLAスタイルの書き方をご紹介します。

4.1. SIST02スタイル

SIST02スタイルは、主に科学技術分野で用いられることが多いスタイルです。

種類 書き方と具体例 雑誌論文 著者名. 論文名. 雑誌名. 出版年, 巻数, 号数, 開始ページ–終了ページ.
【例】My CareerStudy編集部. 大学・学校のレポートの書き方. マイナビ全集. 2025, 42, 3号, p.200-p300. 書籍 著者名. 書名. 版, 出版者, 出版年, 総ページ数.
【例】My CareerStudy編集部. 大学・学校のレポートの書き方. 第2版, マイナビ出版, 2025, 250p. 新聞記事 著者名. 記事タイトル. 新聞名. 出版年月日, 朝/夕刊, 版(あれば), 掲載面または該当ページ.
【例】マイナビ太郎. 大学・学校のレポートの書き方. マイナビ新聞. 2025-04-01, 朝刊, p.3. Webサイト 著者名または団体名. “ページタイトル”. Webサイト名. 公開日. URL, (参照日).
【例】My CareerStudy編集部. ”評価される大学・学校のレポートの書き方は?”. My CareerStudy. 2025-04-01. https://aaaaa.html, (参照 2025-08-13).

4.2. シカゴスタイル

シカゴスタイルは、人文系(歴史学・語学など)で用いられることが多いスタイルです。

種類 書き方と具体例 雑誌論文 著者名「論文タイトル」『雑誌名』 巻数 号数(発行年): 開始ページ–終了ページ.
【例】My CareerStudy編集部「大学・学校のレポートの書き方」『マイナビ全集』42巻 3号 (2025): 200-300. 書籍 著者名『書名』(出版地: 出版者, 出版年).
【例】My CareerStudy編集部 『大学・学校のレポートの書き方』(東京: マイナビ出版, 2025). 新聞記事 著者名「記事タイトル」『新聞名』出版年月日 朝/夕刊.
【例】マイナビ太郎「大学・学校のレポートの書き方」『マイナビ新聞』2025年4月1日朝刊. Webサイト 著者名. “ページタイトル.” Webサイト名もしくはサイト所有者名. 最終更新日. URL(参照日).
【例】My CareerStudy編集部. “大学・学校のレポートの書き方." My CareerStudy. 2025-04-01. http://aaaaa.html(参照 2025-08-13).

4.3. APAスタイル

APAスタイルは、主に社会科学分野(心理学・社会学)で用いられます。

種類 書き方と具体例 雑誌論文 著者名. (出版年). 論文名. 雑誌名, 巻数(号数), 開始ページ–終了ページ.
【例】My CareerStudy編集部. (2025). 大学・学校のレポートの書き方. マイナビ全集, 45巻(3号), 200-300. 書籍 著者名. (出版年). 書名(版). 出版者.
【例】My CareerStudy編集部.(2025). 大学・学校のレポートの書き方(第2版). マイナビ出版. 新聞記事 著者名.(出版年月日). 記事タイトル. 新聞名. 掲載面または該当ページ.
【例】マイナビ太郎. (2025年4月1日). 大学・学校のレポートの書き方. マイナビ新聞. 朝刊, p.3. Webサイト 著者名. (公開日). ページタイトル. Webサイト名. URL.
【例】My CareerStudy編集部. (2025年4月1日). 大学・学校のレポートの書き方. My CareerStudy, http://aaaaa.html.

4.4. MLAスタイル

MLAスタイルは、人文系で用いられることが多いスタイルです。

種類 書き方と具体例 雑誌論文 著者名. "論文名." 雑誌名, 巻数, 号数, 出版年, 開始ページ–終了ページ.
【例】My CareerStudy編集部. “大学・学校のレポートの書き方.” マイナビ全集, 45巻, 3号, 2025, pp.100-200. 書籍 著者名. 書名. 版, 出版者, 出版年.
【例】My CareerStudy編集部. 大学・学校のレポートの書き方. 第2版, マイナビ出版, 2025. 新聞記事 著者名. "記事タイトル." 新聞名, 出版年月日, 掲載面または該当ページ.
【例】マイナビ太郎. “大学・学校のレポートの書き方.” マイナビ新聞, 2025年4月1日, 朝刊 p.3. Webサイト 著者名. "ページタイトル." Webサイト名, 公開日, URL, 参照日.
【例】マイナビ太郎. "大学・学校のレポートの書き方", My CareerStudy, 2025年4月1日, https://aaaaa.html, (参照 2025-08-13).

どのスタイルにおいても、英語文献では一般的に書籍名や雑誌名(ジャーナル名)はイタリック体で表記します。日本語文献では、通常の書体で記載するのが通例ですが、スタイルによってはイタリック体で表記するケースもあります。

5.レポートや論文で参考文献を記載する際の注意点

レポートや論文で参考文献を記載する際の注意点

参考文献の記載は、読み手に情報の出どころを正しく伝えるために欠かせません。不備があると信頼性が損なわれ、レポートの点数を下げる原因となるため、記載時の注意点をしっかり確認しておくことが大切です。

ここでは、レポートや論文で参考文献を記載する際の注意点を詳しく解説します。

5.1. 出典・引用元の情報が正しいかしっかり確認する

文献情報は、著者名、タイトル、発行年、出版者など、必要な要素を正確に記録することが大切です。

特にレポートや論文では情報の信頼性が評価に直結するため、情報源の質にも注意を払う必要があります。Wikipediaやまとめサイトなどは誰でも編集できる場合もあるため、情報の正確性の観点から出典元としてふさわしくありません。

参考にすること自体は問題ありませんが、そのまま引用や出典として使用するのは避け、できるだけ一次情報(原典)を探して引用するようにしましょう。

5.2. 必要な文献情報を丁寧にまとめる

論文やレポートを書く際は、参考にした文献の情報を正確かつ丁寧にまとめることが大切です。どれほど内容が優れたレポートでも、参考文献の情報が不十分だと主張の裏付けが弱くなり、内容の信ぴょう性や深掘りのしやすさが損なわれてしまいます。

読む人が引用元の文献をたどれるよう、著者名、タイトル、発行年、掲載誌名、URLなど、必要な要素に漏れがないよう記載しましょう。特に学術的な文章では、情報の出どころを明確にすることが評価の対象にもなるため、細かな点にも注意を払うようにしましょう。

5.3. 指定されたスタイルで統一する

ご紹介したように、参考文献の書き方には、SIST02スタイルやシカゴスタイルなどさまざまな形式があります。もしレポートや論文で特定のスタイルが指定されていなくても、レポートや論文内では記載方法を統一しましょう。

また、大学や教授によって独自のスタイルや細かなルールが設けられていることもあります。レポートや論文の執筆に取り組む前に、指示やガイドラインを確認しておくようにしましょう。

6.併せて知っておきたい!正しい引用の仕方

併せて知っておきたい!正しい引用の仕方

参考文献の書き方とあわせて、正しい引用の方法やルールを知っておくことも大切です。基本的なルールを押さえておけば、レポートの評価はより高まります。 ここでは正しい引用方法について解説します。

6.1. 自分の言葉と引用部分をはっきり分ける

論文やレポートで引用をおこなう際は、自分の言葉と他者の文章を明確に区別することが重要です。曖昧なまま書いてしまうと、自分の意見なのか引用なのかがわからず、コピペと見なされる恐れがあります。


6.1.1. 直接引用・ブロック引用

論文やレポートで引用をおこなう際は、自分の言葉と他者の文章を明確に区別することが重要です。曖昧なまま書いてしまうと、自分の意見なのか引用なのかがわからず、コピペと見なされる恐れがあります。

また、引用文中にすでに「」が使われている場合は、『』(二重かぎかっこ)などに変更して以下のように表記します。一方、引用文が長くなる場合はブロック引用の形式を使う必要があります。ブロック引用は次の2つのルールに従って記述します。

山田(2021)は「学びの本質は『試行錯誤を繰り返すこと』にある」と述べています。

また、ブロック引用は「」(かぎかっこ)で括らず、本文をそのまま引用します。ここでも内容の改変はおこなわず、誤字や表現も含めて原文通りに書くのが原則です。

佐藤(2020)は次のように述べています。
  学校教育の中心は知識の伝達だけではない。
  子ども自身が課題に向き合い、考える経験こそが、自立した学びを育てる原動力と
  なるのである。
(この後に本文が続きます)

6.1.2. 間接引用

間接引用とは、書籍や論文などの内容をそのまま書き写すのではなく、自分の言葉で要約や言い換えをして紹介する引用方法です。

原文の内容を変更することになるため「」(かぎかっこ)は使いませんが、出典は必ず明記します。たとえ自分の表現に直していても、元となる考えが他人のものである以上、その情報の出どころを示さなければ盗用と見なされる恐れがあります。

田中(2020)は、子どもが他者と関わりながら試行錯誤を繰り返すことが学びの本質であると指摘している。

文章全体の信頼性を高めるためにも、間接引用の扱いには十分注意しましょう。


6.1.3. 図やデータの引用

図や統計データをレポートや論文に取り入れる際は、数値や資料をそのまま使う場合と自分でグラフや表を作成する場合とで記載方法が異なります。以下の具体例を参考にして書き分けるようにしましょう。

データのみを引用する場合
他者が作成した表やグラフ、統計データなどをそのまま使う場合は、図や表の下に出典を記載し、元の情報源が明確になるようにします。

出典:「2023年労働力調査結果」(総務省統計局) (当該ページのURL)(2025年8月5日に利用)

引用データをもとに自分で図表を作成した場合
他者のデータを参考にして自分でグラフや表を作成した場合でも、元となるデータは他人の成果です。そのため、「作成:筆者」や「筆者作成」などと併記し、出典元も明記する必要があります。

出典:厚生労働省「2022年子育て世帯調査」のデータをもとに筆者作成

なお、インターネット上のデータについては、提供団体や機関が出典の記載方法を指定している場合があります。そのため、ホームページ上の「サイトの利用について」などのページを確認するようにしましょう。

レポートでは、このように引用元を正しく記載することで情報の出どころがわかりやすくなり、レポート全体の説得力や完成度が高まります。

6.2. 引用ばかりにならないように注意する

引用はレポートや論文の主張を補強するために役立ちますが、使いすぎには注意が必要です。引用部分が多くなりすぎると本文全体が他人の言葉ばかりになってしまい、自分の考えや分析が見えにくくなってしまいます。

レポートの主役はあくまで自分自身の意見や考察です。引用はそれを裏付けるサポート的な要素として使い、必要に応じて取り入れるようにしましょう。引用に頼りすぎず、自分の意見がしっかり伝わる構成にすることが大切です。

6.3. 孫引きはしないようにする

孫引きとは「直接に原典から引くのではなく、他の本に引用された文章をそのまま用いること」を意味します。


出典:コトバンク デジタル大辞泉「孫引き」

引用を行う際は、孫引きではなく必ず原典を参照しましょう。例えば、論文Aに書かれていた内容を引用したい場合は論文Aを直接参照して引用するのが基本です。もし、書籍Bが論文Aを引用している場合、その書籍Bを読んで得た論文Aの内容を、あたかも自分が直接論文Aから引用したかのように記載すると、それは孫引きになります。


また、外国語の資料を引用する際も同じです。自分で翻訳して原文から引用すれば引用として扱えますが、日本語訳された別の資料から内容を引用すると、それは孫引きになります。

孫引きは情報の正確さを欠くおそれがあるため、学術的な文章では避けるのが原則です。信頼性を保つためにも、できる限り原典にアクセスし、自分の目で確認したうえで引用しましょう。


求めている参考文献を探す際は、全国の公共図書館や大学図書館のデータベースを探すほか、Webサイトなどさまざまな情報源から集めることができます。とはいえ、今の時代は情報収集の方法がたくさんあるため、迷うこともあるでしょう。

My CareerStudyでは、説得力のある論文やレポートを作成するための情報収集の方法について講座で解説しています。ぜひ参考にしてください。

7.まとめ

レポートや論文の参考文献はとりあえず書いておくものではなく、自分の考えに説得力を持たせるために大切な要素です。難しそうに見えるかもしれませんが、一度ルールを押さえてしまえば、引用や参考文献の記載はそれほど難しくありません。正しく記載することで、情報の正確性や信頼性を高められるでしょう。

レポートの書き方に不安がある人には、My CareerStudyの以下の講座をおすすめします。レポート作成の基本から、準備、執筆、確認までを実践的に学べる内容になっています。ぜひチェックしてみてください。

執筆:My CareerStudy編集部

執筆:My CareerStudy編集部

My CareerStudyは学生に向けた社会で役立つ知識やスキルを提供するキャリア学習サービスです。
就活やインターンシップ、学生生活に活かせる情報を発信しています。

関連した講座


My CareerStudyの動画講座ではアカウント登録をすることで誰でも無料で社会で役立つ知識やスキルを身につけることができます。