「現場で求められる多様なスキルと責任感が、施工管理者としての成長と成功を支える」

この記事を書いた人物：: K.Y・工事グループ

記事テーマ：: シゴト図鑑　～仕事内容・身につくスキル＆必要なスキル～

Q 現在の職業をひとことで表すと？また仕事内容や目標指標を教えてください。

A 電気工事の施工管理

私は現在、電気工事の施工管理の仕事をしています。
この仕事は、工事が計画通り・安全に・高品質で進むように、工事全体を管理・監督する役割です。
具体的には、工程管理（工期の始まりから終わりまでの全体スケジュールを策定し、必要なタイミングで資材や重機の手配を行なう）、安全管理（工事前にはKY（危険予知）活動を行い、作業員の安全を確保します。また、夏場は熱中症対策など、季節ごとの安全対策も徹底している）、品質管理（設計図書や仕様書に基づいて、工事の品質が基準を満たしているかの確認・管理）、原価管理（工事予算と実際の費用を常に把握し、進捗ごとの差異（コストギャップ）を確認しながら対応を検討する）を行なっています。
目標指標については、施工管理の仕事における成果は、完成品の引き渡しだけではなく、工事を「どれだけ計画通り、安全に、高品質かつ効率的に進められたか」というプロセス全体に現れます。
主な目標指標としては、工程管理の達成度（計画通りに工事が進み、予定の工期内に完了したか）、安全管理の徹底度（事故やトラブルが発生せず、安全対策が十分に講じられていたか）、品質管理の精度（施工内容に不具合や手戻りがなく、設計基準を満たしているか）、原価管理の適正性（工事が予算内で完了し、費用の超過やムダがなかったか）が挙げられます。これらの管理項目をバランスよく達成することが、施工管理者としての大きな成果であり、日々の業務における重要な目標となっています。

Q この職業で最も楽しいと感じる瞬間と大変な瞬間はいつですか？

A 竣工の成功と課題の同時管理

最も楽しいと感じる瞬間は、工事が無事に竣工し、設備が正しく動いた瞬間です。
たとえば、照明が一斉に点灯したり、モーターが正常に回転したとき、「すべてがうまくいった」という達成感があります。
また、図面だけでは分からなかった現場特有の課題を、知識や経験を活かして解決できたときも、大きな満足感を得られます。そういった場面では、自分がプロとして現場に貢献できた実感があります。
さらに、竣工後にお客様から感謝やねぎらいの言葉をいただいたときや、次の工事を任せていただけたときには、信頼を築けたことを実感し、大きな喜びを感じます。
大変だと感じる瞬間は、責任が非常に重く、複数の問題を同時に管理しなければならないときです。特に、予算や工期に余裕がないとき、天候不良や調整ミス、確認不足により工期が圧迫されたとき、作業員の病気やトラブルが発生し、予定通りに進まないときなど、計画通りに進めることが非常に困難な状況に直面することがあります。
こうした場合、工期や原価がオーバーしないように代替案を検討し、関係者と協議しながらお客様へ丁寧に説明を行うことも重要な役割となります。また、現場全体の安全や品質を確保しつつ、柔軟に対応する力が求められます。

Q この職業で身につくスキル＆あると良いスキルは何ですか？

A コミュニケーション力こそ、現場成功の生命線！

あると良いスキル
「コミュニケーション力」…まさに必須です。お客様や職人、近隣住民と意思疎通を図り、トラブルを未然に防いだり、スムーズに工事を進めるための重要なスキルです。特に現場は多様な立場の人が関わるため、臨機応変な対応力も求められます。
「スケジュール管理能力」…複数現場を担当することも多いため、細かな段取りを組み立てるスキルは必須です。とはいえ、想定外の変更が頻繁に起こるので、計画通りに進めるだけでなく、柔軟に見直す力も必要です。
「学習意欲」…資格取得はもちろんですが、現場での経験から学ぶことも多い仕事なので、自主的に知識や技術をアップデートし続ける姿勢が大事です。
「責任感」…現場では即断即決が求められる場面が多く、誰かに判断を委ねる余裕が少ないため、自分で決め切る強さは必要です。ただ、独断ではなく相談や報告を適切に行うバランス感覚も重要です。

身につくスキル
「電気の専門知識」…実務を通じて自然に身についていきます。資格勉強も加わるので、体系的な理解が深まります。
「調整能力」…現場では変更やトラブルがつきものなので、関係者間の調整力はどんどん磨かれます。これができないと仕事が滞ります。
「チームマネジメント力」…実際は、監督として職人さんや業者さんの意見を聞きながら、現場の空気を読みつつ全体をまとめる必要があります。ただし、職人の方々は専門性が高いので、無理に指示するのではなく、信頼関係を築きながら進めることが大切です。