質問力を高めるメリットは?トレーニング方法や質問のコツを解説

質問力を高めるメリットは?トレーニング方法や質問のコツを解説

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公開日
2023/12/26

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質問力を高めるメリットは?トレーニング方法や質問のコツを解説

質問力は、就職活動中だけでなくビジネスシーンやプライベートにおいても役立つスキルです。例えば、学生生活であれば教授に講義内容の不明点を質問したり、ビジネスシーンであれば顧客に提案をする際に抱えている課題をヒアリングしたりと、さまざまなシーンで活用できます。
質問力を高めると、あなたが知りたいと思う情報が手に入るだけでなく相手とより良好な関係を築けるようになります。
この記事では、質問力を高めることで得られる具体的なメリットやトレーニング方法について詳しく解説します。

1.質問力とは?

質問力とは?

質問力とは、「質問を通して自分が知りたいことをクリアにするとともに、相手との関係性を構築するスキル」を指します。
質問力が身につくと、相手の潜在的な考えを引き出すことができます。そして的確な質問を投げかけることで、相手に「あなたのことを気にかけている」と伝えることができ、深い信頼関係を結ぶことにつながります。

2.質問力を身に付けるメリット

質問力を身に付けるメリット

質問力を身に付けることで得られる具体的なメリットについてご紹介します。

2-1 より深く物事を理解できる

質問力を身に付けると、物事を深く理解できるようになります。
知りたいことをさまざまな角度から多面的にみる癖がつくからです。
そうした癖がつくと、物事を理解する際、いま相手は何に困っているのかを明確にし、どういう質問をすれば答えを引き出せるのかがわかるようになります。

2-2 自分が求めている情報を引き出せる

的確な質問を相手に投げかけることは、求めている情報を引き出すことにつながります。的確な質問とは、お互いの立場や置かれている状況を把握したうえで、あなたが求めている情報を引き出すような質問です。
投げかける質問が曖昧だと、あなたが何を知りたいのか相手はわからず答えに困ってしまうでしょう。そうならないよう、自分が何を知りたいのか適切に伝え、相手にとっても答えやすいかたちで質問する必要があります。

2-3 課題解決力の向上につながる

質問力が身に付くと、目の前の課題に対して「何がわからないのか」「どこがクリアになれば解決するのか」を考える癖がつきます。そうした点を知るための適切な質問をすることで、解決につながります。
課題解決の際には、質問力に加え、論理的思考力も非常に重要です。課題を筋道立てて分析することで、解決するためにクリアにしなければならない部分が明確になるからです。つまり、質問力と論理的思考力は密接な関係にあるといえます。
論理的思考力については以下の記事および講座にて詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
論理的思考(ロジカルシンキング)とは?重要性や身に付ける方法を解説
論理的思考トレーニング講座 ーフレームワーク編ー

2-4 相手との信頼関係を構築しやすくなる

質問をすると、あなたが相手に対して興味を持っていると示すことができます。相手の考えを深く知ることにもなるため、結果として信頼関係を構築することにつながります。
学生の場合は、ゼミの教授にレポート作成のコツを知るために質問をしたり、グループメンバーと意見交換をしながらお互いのレポートをブラッシュアップしたりすることで、教授やグループメンバーとの関係を深めるとともによりよいアウトプットが可能になるでしょう。
また、今後ビジネスの場で商談をおこなうことになった場合にも、背景にある課題感やニーズ、相手の人柄を探るためにさまざまな質問をします。その質問があることで、より相手の課題に合った提案ができるようになり、結果的に「この人になら任せられそうだ」という信頼を得ることができます。
質問は自分がわからないことを明確にする一つの手段ですが、相手との関係性を構築する重要な側面も持っているのです。

2-5 相手の思考を深め、世界を広げることができる

あなたが質問することで、相手はそれに答えようと考えを巡らせます。その思考プロセスのなかで、相手が自分でも気付いていなかった新しい答えにたどり着くことがあります。
つまり質問力をトレーニングすることは、自分のスキルを高めるだけではなく、相手に対しても新たな気付きや成長をうながすきっかけになります。

3.質問力が高い人の特徴

質問力が高い人の特徴

質問力が高い人の特徴には、以下の4点が挙げられます。

  • 現状を正しく認識している
  • 情報の整理がうまい
  • 筋道が通ったわかりやすい話し方ができる
  • わからないことをそのままにしない

質問力が高い人は、相手と自分の関係性や相手が置かれている状況など、現状を正しく認識したうえで適切な質問ができます。また、全体像から細部に至るまで、情報をカテゴリや粒度に応じて整理できるため、質問の内容にまとまりがあり、相手にとって答えやすい質問を投げることができます。
さらに、論理的で矛盾のない筋道が通った話し方ができるため、聞かれた相手が「何が知りたいのか?」を理解しやすくなります。
その他、わからないことをそのままにしないのも質問力が高い人の特徴といえます。会話のなかで、不明点や違和感のある箇所があった場合に、他人の意見を尊重しつつ自分の理解を深めるために相手から聞き出そうとします。不明点や違和感を解消できれば、より具体的な話ができたり、会話の本質に気付けたりする可能性もあります。

4.質問の種類と活用例

質問の種類と活用例

質問の方法にはさまざまな種類があります。それぞれの特徴を把握し、適切に使い分けましょう。

4-1 オープンクエスチョン(拡大質問)

オープンクエスチョンとは、相手に自由に話してもらうための質問です。「はい」「いいえ」では答えられないような内容の質問を指します。
例えば、サークルの自己紹介の場で「趣味はなんですか?」「好きな食べ物はなんですか?」などの質問を投げかけると、相手は考えて話すことになります。その話を聞いたうえで追加の質問をするなどして話を広げられるため有効です。
面接で逆質問をする場合であれば「入社までに取得したほうがよい資格はありますか?」などがオープンクエスチョンの例になるでしょう。
ただし、考えてもらうことも話してもらうことも、相手によっては負担になることもあります。使いすぎには注意しましょう。

4-2 クローズクエスチョン(特定質問)

自由に話してもらうオープンクエスチョンに対し、クローズクエスチョンは「はい」「いいえ」で答えられるような内容の質問です。「私の認識は合っていますか?」「待ち合わせは午後1時でいいですか?」など、相手と擦り合わせをおこなう際に有効です。
面接で質問する場合は「御社で特に重視されているのは、社員同士のチームワークですか?」「いち早く成長し、即戦力になりたいと考えております。若手社員でも裁量を持って仕事を任せていただけるのでしょうか?」などが質問例として考えられます。
ただし、クローズクエスチョンのみでは会話が続かないため、必要に応じて他の質問もできるよう準備しておきましょう。

4-3 サトルクエスチョン

サトルクエスチョンとは、相手にさりげなく本音を言ってもらう質問のことで、まだ関係を構築できていない相手に対して有効です。
例えば、入社後に同期と顔合わせをする際に「体つきがしっかりしていますね、学生時代は体育会に所属していたのですか?」といった具合に仮説と合わせて質問を投げかけます。
ここで重要なのは、間違っていても問題ないということです。相手に話してもらうこと、そこから少しでも本音を引き出すことが目的なので、仮説が間違っていても気にする必要はありません。
仮説の内容に対して、相手はそれに対して合っているか、間違っているかを返答しますが、いずれの場合であっても「なぜ?」と掘り下げることが可能です。
その他、「疲れているように見えるけど、就職活動は順調?」や「あなたは朝強そうだけど、何か秘訣があるのでは?」など情報を引き出したい場合にも活用できるでしょう。

4-4 未来質問

未来質問とは、将来に向けての建設的な議論をおこなうための質問です。
例えば、「英語が話せる人材を求めているということは、今後海外へ事業を展開する予定があるのでしょうか?」などといった質問が当てはまります。相手の今後の行動やビジョンを引き出し、将来に向けた関係の構築を模索する際に有効です。ただし、面接の場で質問するときは事前に事業展開について調べておき、質問は自分の仮説を確認する機会として考えておくとよいでしょう。
また就職活動をしていると、友達とお互いの近況や、やりたいことについて会話することもあるでしょう。未来質問は、友達と将来のことや目標について考える際にも役立ちます。
例を挙げてみましょう。

Aさん:将来はどんなことをやりたいの?
Bさん:プログラミングが気になっているんだよね。将来的には自分でスマホアプリを作りたいんだ。
Aさん:いい目標だね!今はWebエンジニアを目指しているのかな?
Bさん:うん!Aさんは、将来どんなことをやりたいの?

このように、将来のことについて質問し合うことで、将来のことを考えるきっかけとなるだけでなく、就職活動に対してのモチベーションにもつながる可能性があります。ぜひ、実践してみましょう。

4-5 過去質問

過去質問とは、過去の出来事を振り返る際に用いられます。「どうして○○に興味を持ったの?」や「これまでどのような部活動に所属していたの?」、「どうして○○ゼミに入ろうと思ったの?」などの質問が当てはまり、物事のプロセスを明らかにする目的で活用されるケースが目立ちます。
過去質問は変えることができない過去の事象に言及するものなので、後ろ向きの内容になることもあります。そのため、質問内容によっては、過去を振り返ったうえで今後どうするか、前向きな話につなげるために、未来質問と合わせて使うようにしましょう。

4-6 肯定質問

肯定質問とは、肯定的な言葉で質問することで相手を前向きな気持ちにさせるものです。「この成果を出せたのはどうして?」などといった質問が挙げられます。寄り添ってくれている、一緒に考えようとしてくれているといった印象を与えることができます。
例えば、ゼミで友達のレポートの評価が高かった場合は、「すごいね!今回のレポート、どんなところに注力して作成したの?」という形で質問すると良いでしょう。

4-7 否定質問

否定質問とは、否定的な言葉で質問することによって相手に理由や原因を話させるものです。失敗したりうまくいかなかったりした出来事を振り返る際に用いられます。具体的には、「どうして期日までにやらなかったの?」「なぜ成果を出せなかったと思う?」などといった質問が挙げられます。
アルバイトで後輩がオーダーを間違えてしまった場合を例に挙げてみましょう。「どうしてオーダーを間違えたの?」といった形で質問するケースが考えられます。
否定質問を相手に答えさせると原因や理由に対する理解が深まりますが、リスクもともないます。相手が「責められている」と感じてしまうからです。また、無闇に用いてしまうと、相手や周囲からは感情的にみえてしまう可能性があります。
否定質問だけで終わるのではなく、「ミスは誰にでもあるから、次回同じミスをしないようにするにはどうすればいいか一緒に考えよう」といったように肯定質問や未来質問とあわせて用いることで、今後につながる話ができたと相手に思ってもらえるように心がけましょう。

5.学生のうちから質問力を身に付けるトレーニング方法

学生のうちから質問力を身に付けるトレーニング方法

質問力を身に付けるトレーニングは学生のうちからおこなうことができます。日常生活のなかで以下の6つを意識してみてください。

5-1 何事にも疑問を持つ

友人や家族との会話、大学の授業、電車やバスの広告など、何事にも疑問を持つように心がけてみましょう。目にしたことに対して自分なりの疑問や仮説を持つことで、自分が腹落ちしていない部分に気付き、それを解消するための質問が生まれます。

5-2 質問力が高い人を観察してみる

身の回りに質問力が高いと思う人がいれば、その人を観察してお手本にするのも一つの方法です。質問の内容や相槌を挟むタイミング、話の流れなどを細かくみてみましょう。
同時に、質問をされている人のことも観察してみましょう。ほとんどの場合、質問されている人のほうが長い時間話しているはずです。質問力が高い人は、言い換えれば相手に話をさせるのが上手な人でもあります。
そのため、質問される側がついいろいろなことを話したくなってしまうような環境を作れているか、相手の表情の変化などを参考に観察するとよいでしょう。

5-3 相手からされた質問を振り返る

自分が質問されたときに答えやすかった内容、答えづらかった内容を振り返り、自分が答えやすかった質問を相手に投げかけてみましょう。
答えやすい質問とは一般的に、考えれば答えられるような質問や記憶をたどれば思い出せるような質問です。一方、答えづらい質問とは、ある程度考えなければならない質問やどう答えればいいかわからないような質問です。抽象度が高い質問も答えづらいでしょう。

5-4 質問の切り口を知る

質問力を高めるには、質問の切り口を知ることも重要です。
例えば、質問の切り口として5W1Hというものがあります。5W1Hとは、When(いつ)・Where(どこで)・Who(だれと)・What(なにを)・Why(なぜ)・How(どのように)のそれぞれの頭文字を取ったものです。この6つを基準に質問すると、さまざまな情報を引き出すことができます。
加えて、前述したような相手が答えやすいクローズクエスチョンや相手から多くの情報を引き出すことができるオープンクエスチョンを用いることで、質問の切り口は広がります。
こうしたさまざまな切り口を持っておくことで、自分が知りたい情報をより多く相手から引き出せるようになります。

5-5 自分自身を相手に実践してみる

実践的かつ1人でもできる方法として、自分の感情や行動に質問をしてみるのも効果的です。
例えば、自分の強みを見つけるために自己分析をおこなう際、自分自身に「なぜそのような行動をとったのか」「どのようにその課題を解決したか」など5W1Hなどの切り口で質問をすることで、より深い分析ができ、自分が気付かなかった強みを知ることができるかもしれません。
またその際、どのような質問が答えやすかったか、楽しく答えられたかを覚えておくことで、相手に質問するときの参考にもなるでしょう。
自己分析をおこなう際には、My CareerStudyの「社会人基礎力診断 MATCH plus Action」を活用することでより深く自分を知ることができます。ぜひご活用ください。

5-6 自ら質問するきっかけを作る

質問力を身につけるための近道は、実際に自分から相手に質問してみることです。この記事で紹介した内容を踏まえながら質問する機会を作り、実践していくなかで、あなたの質問力はどんどん向上していきます。
My careerStudyでは、実践的に質問力を学び、向上させる場として「質問力 〜知りたいことを聞き出すための技術〜」という講座をご用意しています。こちらもぜひ活用し、さらなる質問力の向上を目指しましょう。
「質問力 ~知りたいことを聞き出すための技術~」講座はこちら

6.質問をする際のポイント

質問をする際のポイント

最後に、質問の際に意識すべきポイントを3つご紹介します。

Point1 まずは軽い質問から始める

自分がほしい情報を聞き出すためには、相手にとって話しやすい環境を整備してあげることが重要です。
会話の場合も運動前のウォーミングアップと同じで、いきなり本題に入ってしまうと、相手はまだ話す準備が整っておらず、知りたい情報を入手できない可能性があります。答えやすい簡単な質問から始めて場を温め、お互いの緊張が解けてから徐々に本題に移るようにしましょう。

Point2 相手の目線に合わせて質問する

専門的な用語や一般的でないカタカナ語、友達同士など特定のコミュニティでのみ使う言葉などを多く用いてしまうと、あなたが意図していることが相手に伝わらない可能性があります。相手の反応をみながら、同じ目線に立って話すことが重要です。相手が使っている言葉を使う、話す速度を相手に合わせるなどを意識するとよいでしょう。

Point3 相手の意見をリスペクトし、むやみに否定しない

相手が話してくれた考えや意見をむやみに否定しないようにしましょう。相手は話しづらくなり、信頼関係を築くのが難しくなってしまいます。意見が異なる場合でも相手の話を受け入れ、そのうえで自分の考えを話すなど、相手にとって話しやすい環境を崩さないように気をつけることが重要です。

7.まとめ

質問力を高めると、あなたが知りたい情報をより多く手に入れることができ、相手との信頼関係を築くことにつながります。プライベートからビジネスまで、さまざまな場面で役に立つスキルであり、意識すれば日常生活のなかでトレーニング可能なスキルでもあるので、今のうちから積極的に取り組んでみましょう。
なお、「質問力を身につけたいけど、なかなか行動に踏み出せない」という人は、 まずはMy CareerStudyの「質問力~知りたいことを聞き出すための技術~」をご活用ください。1セクション5分程度の動画講座を通して、質問力の基礎からしっかりと身に付けられます。

執筆:My CareerStudy編集部

執筆:My CareerStudy編集部

My CareerStudyは学生に向けた社会で役立つ知識やスキルを提供するキャリア学習サービスです。
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