グループディスカッションのコツは?企業視点で考える対策と流れを紹介

グループディスカッションのコツは?企業視点で考える対策と流れを紹介

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公開日
2024/4/25

この記事は6分で読めます

グループディスカッションのコツは?企業視点で考える対策と流れを紹介

グループディスカッションに苦手意識を持つ学生は少なくありません。「当日までテーマがわからない」「初対面の学生と議論をするイメージが湧かない」など、不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、グループディスカッションに臨むうえでおさえておくべきコツや、企業が何を評価しているのかを詳しく解説します。グループディスカッションに不安を感じている場合は、この記事の内容を参考に自身の良さや強みを発揮できるよう準備しましょう。

1.グループディスカッションとは?

グループディスカッションとは?

就職活動におけるグループディスカッションとは、学生複数人で1つのグループを作り、企業から提示されるテーマに沿って議論をおこなうものです。グループごとに結論を発表するケースもありますが、企業はほとんどの場合、結論に至る過程で学生それぞれがどのような役割を担っているか、グループとして協力しながら議論ができているかを確認します。

一般的な面接では面接官の問いに答えることが基本ですが、グループディスカッションではグループ内での議論の様子を面接官が確認するため、面接官と直接会話せずに自身をアピールする必要があります。 「discussion」と表現され、神が人に与えた職業から派生した言葉だといわれています。


1-1 グループディスカッションの主なテーマ

グループディスカッションで用いられる主なテーマは、大きく「問題解決型」「自由討論型」「フェルミ推定型」の3つに区分されます。それぞれのテーマ例は以下のとおりです。

種類 テーマ例
問題解決型 ・ガソリンスタンドの売上を2倍にするには?
・少子高齢化を食い止める方法は?
・IT人材不足の有効な解決策は?
自由討論型(抽象型) ・無人島へ行くとしたら何を持っていく?
・理想的な人生とは?
・オリンピックを2年に一度開催するとしたらどのようなメリット、デメリットがある?
フェルミ推定型 ・日本にコンビニエンスストアはいくつあるか?
・日本で犬を飼っているのは何世帯?

議論の進め方や考え方はテーマの種類によって異なります。
例えば問題解決型・フェルミ推定型は、客観的な事実をもとに論理立てて一定の答えを導き出す必要がありますが、自由討論型には答えがないケースがほとんどです。

そのため、自由討論型ではグループメンバーがそれぞれの視点でアイデアを出し合い、最終的に納得感のある結論を出すことになります。

テーマ別の考え方や進め方については、My CareerStudyが提供している下記の講座で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。


1-2 企業が評価するポイント

企業は主に「協調性」や「積極性」「傾聴力」「コミュニケーション能力」「発想力」「論理的思考力」など社会人として必要な対人スキルを総合的に評価しています。

具体的には、グループメンバーそれぞれが意見を出し合い、他者の意見を尊重しながら、最終的にグループとして納得感のある筋道の通った結論に着地できているかを重視しています。そのため、あなたならではの視点や考えで意見を出し、グループに議論の流れを作ることができるとよいでしょう。

例えば、議論が暗礁に乗り上げたときや煮詰まったとき、前に進めるために新しい視点で意見やアイデアを出すことは、発想力や積極性の観点から企業に評価されるポイントになるでしょう。

2.グループディスカッションの基本的な流れ

グループディスカッションの基本的な流れ

続いて、グループディスカッションの基本的な流れをみていきましょう。


1:グループ分けとテーマの確認をおこなう

グループディスカッションに臨むにあたり、まずは企業からグループ分けとテーマの提示がなされます。企業はグループディスカッションが始まる前からあなたの様子を評価している可能性があるので、説明を聞く態度にも注意を払いましょう。

また、スムーズに議論に移れるよう、選考開始前に自己紹介などを通じて同じグループのメンバーとアイスブレイク(緊張をほぐすための手法)をおこなっておくとよいでしょう。

もし「初対面の人と何を話せばよいかわからない」「新しく出会った人ともうまくコミュニケーションをとれるようになりたい」という場合は、以下の講座を参考にしてみてください。


2:役割を決める

グループ分け・面接官からのテーマ共有が終わったら、次にグループディスカッションをスムーズに進めるために、それぞれの役割を明確にします。その際、企業に積極性をアピールする意味でも、余った役割を担当するのではなく、なるべく立候補するかたちで役割を決めていきましょう。

グループディスカッションで必要な役割は、主に以下の4つです。

役割 概要説明
ファシリテーター 議論の流れをとりまとめる担当です。
グループメンバーそれぞれから意見を引き出し、
最終的な結論までを導き出す司会者の役割を担います。
書記 議論のポイントをおさえ、グループとしての意見をまとめる役割です。
内容に矛盾がある場合には議論に参加し確認をするなど、
これまでの流れを正確に把握する必要があります。
タイムキーパー 制限時間内に発表する内容をまとめるために、タイムマネジメントをおこないます。
ただ残り時間を伝えるだけではなく、
議論の状況によって時間配分の見直しを提案するなど、
柔軟な対応が求められます。
発表者 グループを代表して結論を発表する役割を担います。
グループ内でおこなわれた議論のポイントを、
自身の言葉でわかりやすく面接官や他のグループに伝える必要があるため、
プレゼンテーションスキルが求められます。

3:ディスカッションの時間配分を決める

続いて、ディスカッションの時間配分を決め、グループ内で共通認識を持ちましょう。企業から提示されたテーマに対し、前提の「すり合わせ」、「グループ内での議論」、「まとめ」を経て最終的な発表に臨みます。余裕をみて予備の時間を確保しておくこともおすすめです。

具体的には以下のような割合で配分をイメージします。

内容 時間配分
前提のすり合わせ 2割
グループ内の議論 4割
まとめ 3割
予備 1割

例えば持ち時間が30分の場合、前提のすり合わせ6分、グループ内での議論12分、まとめ9分、予備3分がおおよその時間配分となります。特にグループ内での議論は白熱することも多く、時間を使ってしまいがちです。
そのため、限られた時間のなかで効率良く物事を進めるうえでは、タイムキーパーだけでなく全メンバーがタイムマネジメントを意識することが重要です。

My CareerStudyでは、以下の講座にてタイムマネジメントの方法を詳しく解説しています。タイムマネジメントは社会人になってからも役立つスキルなので、ぜひこの講座を通じて身につけましょう。

4:テーマに対する認識を合わせる

次に、グループ内でテーマに対する認識を合わせるために、前提の確認を丁寧におこないましょう。前提がずれてしまうと議論がうまく進まず、結果として見え方も悪くなってしまう可能性があります。

前提を整理する際は、When(いつ)・Where(どこで)・Who(誰が)・What(何を)・Why(なぜ)の5Wを意識すると整理しやすくなります。
例えば「ガソリンスタンドの売上を2倍にするには?」に対しては、以下の視点で前提をクリアにしていきます。

  • When(いつ):売上2倍の達成は短期なのか中長期なのか
  • Where(どこで):国内でのビジネス拡大を目指すのかグローバルか
  • Who(誰が):誰が、何人でその目標を目指すのか
  • What(何を):何のサービスで売上向上を目指すか?ガソリン価格・洗車など、注力ポイントを何に設定するか
  • Why(なぜ):なぜ売上を2倍にするのか?足元の業績が悪く早急に立て直しが必要など

5:ディスカッションをおこなう

前提をグループ内で認識できたら、ディスカッションをおこないます。ディスカッションを進める際は、「現状分析」「課題設定」「施策立案」、「施策決定」の順番で大枠を定めつつ進行するとよいでしょう。

そして、都度それぞれが自身の意見を発表し、賛成なのか反対なのかを議論します。出た意見を内容や視点ごとにグルーピングし、グループとしての意見を徐々にまとめていきましょう。
また、反対意見にもしっかりと耳を傾け、グループの議論が理にかなっているかを随時確かめながら進行するのが大切です。可能な限り全員が納得のいくように議論を着地させていきます。

6:結論をまとめて発表する

一連の議論が終われば、結論をまとめて発表します。結論をまとめる際には、グループメンバーそれぞれが納得できている内容を中心に整理しましょう。反対意見が出て議論が深まっていない内容は省き、全員が納得感を持てた内容で結論を組み立てます。

結論とその過程で矛盾点がなければ、企業やほかのグループの前で発表する準備に取りかかり、発表者が代表してプレゼンテーションをおこないます。

3.グループディスカッションに苦手意識を持っている人は多い

グループディスカッションに苦手意識を持っている人は多い

ここまでの内容を踏まえて「やはり自分には難しい」と感じた人もいるかもしれません。しかし、グループディスカッションに苦手意識を持っている学生は多く、「マイナビ2024年卒学生就職モニター調査5月の活動状況」によると、グループディスカッションに苦手意識を持っている学生は半数以上におよびます。

グループディスカッションは当日に議論するテーマが発表され、初対面の学生とグループになって議論をするため、多くの学生もあなたと同じく緊張しながら臨んでいます。
ここでご紹介してきた流れをおさえつつ、以下で解説する企業が評価するポイントを理解すれば、きっとよい評価につなげられるでしょう。

4.企業目線で考える、グループディスカッションのコツは?

企業目線で考える、グループディスカッションのコツは?

最後に、企業の視点からグループディスカッションをうまく乗り切るためのコツをみてみましょう。

4-1 不明点は開始前に質問しておく

企業から提示されたテーマに対し曖昧な部分がある場合は、グループディスカッション開始前に質問してクリアにしておきましょう。

企業からは、「真剣にグループディスカッションに向き合おうとしているからこそ質問をしている」と好意的に受け取られるはずです。
また、グループディスカッションが始まってから質問をすると時間のロスになるため、タイムマネジメントの観点からも開始前に質問しておくことをおすすめします。

4-2 自分の性質に合った役割を選ぶ

あなた自身の性格に合った役割を選択しましょう。ファシリテーターや発表者は目立つと考え立候補する学生も多く見受けられます。

しかし、うまく意見をまとめられなかったり、発表の場で緊張してしまい自身の言葉でプレゼンテーションができなかったりした場合、企業に自分の良さを伝えるのは難しくなります。

グループディスカッションの役割に優劣はありません。企業は、ファシリテーターや発表者以外の役割の重要さも認識しています。目立つかどうかではなく、あなたがグループに貢献できる役割は何かを考えて選択しましょう。自身の良さを出せれば高い評価につながります。

4-3 無意識に出る癖を把握し、気を付ける

脚を組む、机に肘をつく、髪を触るなど、無意識のうちに出てしまう癖に注意しましょう。真剣に議論に参加していない印象を企業に与えてしまう恐れがあります。

また、そうした行動が周囲の集中を妨げてしまう可能性もあります。グループディスカッションは1つのチームとしてテーマに取り組む姿勢を評価するものです。チームに悪い影響をおよぼさないよう気を付けましょう。

4-4 メンバーの意見を尊重する

ディスカッションをしているとあなたの考えとは反対の意見が出る場合もあります。しかし、一方的に他者の意見を否定する発言をしてしまうのはよくありません。発言者の考えを尊重しながら、より議論を深め、グループとしてよい結論を出すための材料にしましょう。

前述したように、採択された意見を発表した個人が評価されるのではなく、グループとして議論している様子がグループディスカッションでは評価されます。

また、ほかのグループの発表を聞く際の姿勢も見られています。ほかのグループが発表しているときも相槌を打つなど、相手の話にしっかり耳を傾けるようにしましょう。

4-5 周りが聞き取りやすい声・トーンで話す

同じ会場内で複数のグループがディスカッションをおこなう場合、声が聞こえづらくなる可能性があります。仮に自分の意見に自信がなくても、聞き取りやすいトーンでしっかり発言するよう心がけましょう。ボソボソと話してしまうと、あなたが議論に参加していないように受け取られてしまうかもしれません。

前述したとおり、参加している大半の学生はグループディスカッションに苦手意識を持っています。あなたも気負わず、積極的にはっきりとした声で話しましょう。

4-6 回数を重ねて慣れる

初めてのグループディスカッションがうまくいかなかったとしても落ち込む必要はありません。初めから何もかもうまくこなすのは難しいものです。グループディスカッションの回数を重ねるごとに慣れていくことで、徐々にうまく対応できるようになります。

失敗してしまったと感じた場合は、練習をしたり、うまくできなかった部分を振り返ったりしながら、次のグループディスカッションの場であなたの良さを発揮できるように準備しましょう。
失敗を恐れずにチャレンジし続ければ、きっとあなたの姿勢を評価してくれる企業に出会えるはずです。

5.まとめ

グループディスカッションはただ発言をすればよいというものではなく、あなた自身がグループのなかでどのような立ち回りをしているか、良さや強みを発揮しているかを企業が確認する選考です。そのため、無理に目立とうとする必要はなく、1つのチームのなかで与えられた役割をしっかりと果たしているかが重要です。

これからグループディスカッションに臨むなら、個人ではなくチームとして選考されている点を忘れず、チームのなかで自身の良さをアピールできるようにしましょう。 CareerStudyではキャリアデザインについて1から学べる講座を用意しています。ぜひご覧ください。

My CareerStudyでは、グループディスカッションで企業から高く評価されるためのコツを講座でご紹介しています。グループディスカッションのなかで自分自身を適切にアピールできるよう、この記事とあわせてぜひ参考にしてみてください。

執筆:My CareerStudy編集部

執筆:My CareerStudy編集部

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