自己PRとガクチカの違いは?被ってもいい?考え方と書き方のポイント

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公開日
2023/11/30

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自己PRとガクチカの違いは?被ってもいい?考え方と書き方のポイント

就職活動中、多くの企業から聞かれる質問に「自己PR」と「ガクチカ」があります。この2つは似ているようでいて、実は企業側が確認しているポイントが大きく異なります。
企業は自己PRとガクチカから何をみようとしているのか、どのように準備すればいいのかをこの記事で把握し、事前にしっかりと準備をおこないましょう。

1.自己PRとガクチカはどう違う?

自己PRとガクチカはどう違う?

自己PRとガクチカは、いざ整理し始めると同じエピソードを用いてしまい、似た内容になるケースがあります。まず、自己PRとガクチカの違いを解説します。

1-1 自己PRとは

「自己PR」とは、あなた自身がこれまでに経験したエピソードを通して強みや特長、人柄を伝えるものです。
「自分はどのような人間なのか」を伝えるためのアピールと考えるとよいでしょう。

企業が自己PRを聞く理由

企業が自己PRを聞く理由は主に以下の3点です。

  • カルチャーマッチ:あなたの人となりを把握するため
  • ビジネスへの影響:どういったメリットをもたらしてくれる人であるか確認するため
  • 中長期での活躍期待:あなたの志向性と企業が目指している方向性に相違がないかを擦り合わせるため

企業は自己PRを通じてあなたの強みや特長を把握し、組織のなかで成長する人材であるかを判断します。
そのため志望する企業の社風や職種に応じてあなたの強みや特徴を伝えることが重要です。

1-2 ガクチカとは

「ガクチカ」とは、「学生時代に力を入れたこと」の略称です。
何に力を入れてどうやって達成したのか、取り組む姿勢や行動特性をアピールします。
学業はもちろん、部活動やサークル、アルバイトなどあなたが熱心に取り組んだ内容であればどのようなエピソードでも問題ありません。そのなかで、なぜ力を入れたのか、どのような目標を掲げ、どのようなアプローチを取ったのかなどを中心に「物事への取り組み方」を伝えましょう。

企業がガクチカを聞く理由

企業がガクチカを聞く理由は主に以下の3点です。

  • 困難に直面したときにどういった行動を取る人なのかを知るため
  • 何にやりがいを感じる人なのかを理解するため
  • 得た学びを体系立てて整理し、再現性を持たせられているか確認するため

企業側はガクチカを通じて、あなたがこれまでどのように物事に取り組んできたのかを把握しようとしています。
学生時代をどう過ごしたのか、どういう考え方をする人なのかを知り、得た学びを社会人になっても活かせるのかを判断します。

1-3 自己PRとガクチカの違い

自己PRであなたの強みや特長、人柄などを伝えるのに対し、ガクチカではあなたの物事への取り組み方や行動特性を伝えます。「最終的に何をアピールするのか」が違うと考えるときにまとめやすくなります。
一方、自己PRとガクチカには共通点もあります。それは、あなたのこれまでの経験がベースになっていることです。
例えば、あなたが部活動に勤しみ優勝したエピソードがあるとします。このとき、自己PRでは「どのような強みを発揮して優勝できたのか、優勝という経験によりどのような力を得たのか」を説明します。一方ガクチカでは、「優勝に至るまでどのように取り組んできたのか」を説明するとよいでしょう。
同じエピソードですが、どの部分を軸に据えて話をするかで伝えられる内容は変わります。
あなたの魅力をさまざまな角度から企業側にアピールできる機会だととらえ、しっかりと内容を練りましょう。

2.ESや面接は「何を、なぜ聞かれているか」を意識

ESや面接は「何を、なぜ聞かれているか」を意識

企業がエントリーシートや面接であなたに聞く内容にはすべて意味があります。回答する際には、何を聞かれているのか、なぜそれを聞かれているのかを意識するようにしましょう。
企業は、あなたへの質問を通じてあなたのことを知り、入社後に活躍してくれる人材か、採用すべき人材であるかを判断しようとしています。
志望企業がどういった人材を求めているのか、イメージを持って臨むことで、企業がなぜこの質問をするのかさらに汲み取りやすくなります。企業の採用ページでは「求める人材像」について記載している場合もあるため、参考にするとよいでしょう。

3.自己PRとガクチカが同じでも大丈夫?かぶる場合は?

自己PRとガクチカが同じでも大丈夫?かぶる場合は?

実際に自己PRとガクチカを作成してみると「どちらもエピソードが同じになった」という人もいるのではないでしょうか。
自己PRとガクチカは、伝え方や軸となるアピールポイントを変えれば同じエピソードから作成しても問題ありません。
エピソードにあなたらしさが詰まっており、かつ企業が求める人材要件に訴求できる内容であれば、同じエピソードでも工夫次第で十分アピールできます。

3-1 テーマは同じでもOK!アピールの仕方を工夫しよう

前述のとおり、企業側が自己PRとガクチカでみているポイントは異なります。その点を踏まえ、同じエピソードを用いる際はアピールの仕方を工夫してみましょう。

ポイント① 違う観点で記載する


同じエピソードであっても、違う観点で内容を書くことで、アピールのしかたを工夫できます。

■自己PRの例
私の強みは、周囲を巻き込む推進力です。明確な目的を決め、達成するために必要だと思うことがあれば積極的に周囲の人に声をかけて目的の達成に取り組んできました。
具体的なエピソードとして、ゼミ活動があります。所属するゼミで金融について学んでいるのですが、学びを深めるために実際に現場で働いている方の話を聞きたいと考えました。そこで自主的に行動し、大学の就職支援課の方に協力してもらって5人のOBの方の情報を調べ、アポイントを取り、ゼミの教授の協力のもと作成したヒアリングシートを用いてインタビューをおこないました。その結果、現場の方からとても多くの話を聞くことができました。
金融の仕事をもっと深く知りたいという気持ちから、ゼミの教授や就職支援課の方、OBの方を巻き込み、協力を得ることで、知りたかった情報を入手できました。

■ガクチカの例
私が学生時代に力を入れたことはゼミの活動です。
私の父親は20年間自営業を営んでいるのですが、私が小学生の頃、資金面で苦悩している姿を見かけたことがありました。このことが強く印象に残っており、大学ではお金のことを勉強して、父のようにお金に困っている人の役に立ちたいと考えました。
所属するゼミでは、主に融資などの資金調達方法に関する内容を学んでいます。しかし座学だけでは金融に関する理解を深めるのは難しいと感じ、実際に銀行で働いている方に話を聞きました。仕事内容や印象深い経験など内容の濃い話を聞くことができたのですが、そのなかでも資金繰りに困っていた中小事業者の方への融資がかなったときのエピソードが強く印象に残っています。
私はこの経験から、明確な目標を持ち行動に移すことの重要さを学びました。社会人になってからも、この経験から得た学びを活かしたいと思っています。

同じゼミ活動をテーマにしていますが、自己PRは自身が持つ能力をアピールし、ガクチカではなぜこの分野に興味を持ち、課題に対してどう取り組んだのかをアピールしています。
このように、観点を変えると伝えられるポイントも変わります。自己PRでは自身の強み、ガクチカでは理由や過程を意識して記載してみましょう。

ポイント② 話し方や伝え方を工夫する


話し方や伝え方を工夫すれば、あなたが本当に伝えたいことを的確に訴求できます。その際によく用いられるのが、STAR法とPREP法です。
STAR法は「Situation(状況)・Target(目的・目標)・Action(行動)・Result(結果)」のそれぞれの頭文字からその名が付けられています。伝えるべきことを順を追って詳しく説明する仕組みのため、物事の過程を丁寧に伝えられます。
一方、PREP法は「Point(結論)・Reason(理由)・Example(例)・Point(結論)」のそれぞれの頭文字をとって名前がつけられたものです。文頭と文末に結論を述べるため、伝えたいことが明確かつ簡潔に表現できます。
ガクチカの構成を練る際にはSTAR法が、自己PRの構成を練る際にはPERP法がそれぞれ適しています。以下を参考に、この2つの手法をみてみましょう。

■PREP法を活用した自己PRの例
Point(結論)
私の強みは、周囲を巻き込む推進力です。明確な目的を決め、達成するために必要だと思うことがあれば積極的に周囲の人に声をかけて目的の達成に取り組んできました。
Reason(理由)
具体的なエピソードとして、ゼミ活動があります。所属するゼミで金融について学んでいるのですが、学びを深めるために実際に現場で働いている方の話を聞きたいと考えました。
Example(例)
そこで自主的に行動し、大学の就職支援課の方に協力してもらって5人のOBの方の情報を調べ、アポイントを取り、ゼミの教授の協力のもと作成したヒアリングシートを用いてインタビューをおこないました。その結果、現場の方からとても多くの話を聞くことができました。
Point(結論)
金融の仕事をもっと深く知りたいという気持ちから、ゼミの教授や就職支援課の方、OBの方を巻き込み、協力を得ることで、知りたかった情報を入手できました。

■STAR法を活用したガクチカの例
私が学生時代に力を入れたことはゼミの活動です。
・Situation(状況)
私の父親は20年間自営業を営んでいるのですが、私が小学生の頃、資金面で苦悩している姿を見かけたことがありました。
・Target(目的・目標)
このことが強く印象に残っており、大学ではお金のことを勉強して、父のようにお金に困っている人の役に立ちたいと考えました。
・Action(行動)
所属するゼミでは、主に融資などの資金調達方法に関する内容を学んでいます。しかし座学だけでは金融に関する理解を深めるのは難しいと感じ、実際に銀行で働いている方に話を聞きました。仕事内容や印象深い経験など内容の濃い話を聞くことができたのですが、そのなかでも資金繰りに困っていた中小事業者の方への融資がかなったときのエピソードが強く印象に残っています。
・Result(結果)
私はこの経験から、明確な目標を持ち行動に移すことの重要さを学びました。社会人になってからも、この経験から得た学びを活かしたいと思っています。

同じゼミ活動をテーマにしていますが、自己PRは自身が持つ能力をアピールし、ガクチカではなぜこの分野に興味を持ち、課題に対してどう取り組んだのかをアピールしています。
このように、観点を変えると伝えられるポイントも変わります。自己PRでは自身の強み、ガクチカでは理由や過程を意識して記載してみましょう。

3-2 テーマとアピールポイントが同じNG例

自己PRとガクチカで同じ内容を用いることは問題ありませんが、アピールポイントまで同じものを用いることは避けたほうがよいでしょう。
例えば、前述の例の場合、自己RPでもガクチカでも「周囲を巻き込む推進力を強みにゼミ活動に取り組んだ」というエピソードにしてしまうと、「強み」を伝えることはできても「問題に対してどう動くのか、それはなぜなのか」を伝えることができません。
企業側が自己PRとガクチカを質問しているのは、それぞれの内容からあなたのことをより深く知りたいからです。そのことを意識し、同じエピソードであってもそれぞれ異なる観点で語ることを忘れないようにしましょう。

4.自己PRやガクチカがない場合の対処法

自己PRやガクチカがない場合の対処法

自己PRやガクチカに書けるエピソードがない場合はどうしたらよいのでしょうか。自己PRやガクチカの作り方について解説します。

4-1 自分史を作成して「頑張った」体験を書き出す

自分のこれまでの足跡を振り返る自分史を作り、頑張った体験を書き出してみることは、自己PRやガクチカを考えるうえで効果的です。
自分史とは、生まれてから現在までの間に自分が経験してきたことを時系列で整理したものです。あなたが努力したこと、成し遂げたこと、なぜそれを始め、どのように終えたのかを、できる限り具体的に書き出してみましょう。
例えば、「小学生の頃に作文コンクールで優秀賞を獲った」「中学1年生のときに部活動でレギュラーになった」「志望校に合格した」などの体験を振り返り、その結果を得るためにあなたは何をしたのか、どのような壁があってどう乗り越えたのかを一覧化します。
なお、エピソードは必ずしも成果が出た出来事である必要はありません。例えば、「中学1年生のときに部活動ではレギュラーになれなかったが、部室の清掃やチームの分析、応援などを徹底した」などでも問題ありません。成果が出なかった場合はなぜ成果がでなかったのか、今後どう対策していくかを考えてみましょう。
また、コロナ禍で活動が制限されたことにより「ガクチカがない」という学生の場合は、「オンライン授業のグループ発表を円滑に進めるために自主的にメンバーに声をかけ、練習やフィードバックをおこなう時間を設けた」のようにオンライン授業に対しての取り組み方をガクチカとして記載してもよいでしょう。
大切なのは、課題に対してどう取り組んだか、自身の経験からあなた自身が何にやりがいを感じるのか、その経験が今の自分にどう影響しているかを整理することです。

4-2 自分の価値観を見つめ直してみる

あなた自身の価値観を見つめ直してみることも、自己PRやガクチカを考えるうえで効果的です。これまで何に喜びを感じ、何が嫌だったのかを思い返してみましょう。
あなたがどのような価値基準で行動してきたのかを洗い出すと、あなたが何を大切にしている人なのかが明確になります。大切にしていることをあなたの強みや行動特性に置き換え、自己PRやガクチカに反映させてみましょう。
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4-3 親や友人に他己分析してもらう

親や友人に「私はどのような人?」と聞いてみるのも、自己PRやガクチカを考える際のよいきっかけになります。他の人からどう見られているかを知ることは自己分析においても重要ですし、自分では考えもしなかったような強みや特長が見つかるかもしれません。
就職活動では、志望する企業から内定をもらうために、採用担当者に対して自分自身をどうアピールするのか考える必要があります。現時点であなたはどういう人だとみられているのか、本当はどういう自分をアピールしたいのか、そのギャップが把握できれば、そのギャップを埋めるために何を話すべきかがみえてきます。
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5.まとめ

就職活動は、自己PRやガクチカの作成を通じて自分自身を見つめ直す素晴らしい機会になる一方、つい考え込んでしまい自分の強みを見失うケースも多々あります。
そうすると、「これまで自分は何も成し遂げていない」「すごい人が山ほどいるなかで自分は何をアピールすればいいのかわからない」といった思考に陥りがちです。
そんなときには、親や友人に自分のことを聞いてみるなど、他者のアドバイスを参考にしてみましょう。
自己PRやガクチカは、必ずしも成果を出した経験である必要はありません。また、自己PRとガクチカで同じエピソードを使う場合はアピールする観点を変えたり、伝え方を工夫したりすることであなたの良さを十分アピールすることができます。
まずは、自分のこれまでの経験を振り返ることから始めましょう。
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執筆:My CareerStudy編集部

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