気がついたらこうなっていた!

Q1のお題が少々堅苦しいですが、就活をされる皆さんにとっては、企業の窓口として人事の担当者には、必ずと言っていいくらい会うことになりますよね。
出会った会社の人事担当が魅力的な人であった場合、その会社に興味を持って入社のきっかけになったり、人事の仕事そのものが将来の夢になったりする方もいるでしょう。
私が入社した当初、20年後に人事の部署にいることなんて微塵も想像しておりませんでした。

ところで私の部署人事は採用や教育も担当しますが、人事の仕事は「人」の「事」と書くくらいですから、社員に係ることはほぼすべて関係します。
入社から退職まで、会社員としては人生で最も長いと時間を過ごすことも多いでしょうから、その時間での様々なことに、私は部署の担当として対応に当たっています。

皆さん「コンピテンシー」という言葉は聞いたことがありますか？
一般的には『ある職務または状況に対し、基準に照らして効果的、あるいは卓越した業績を生む原因としてかかわっている個人の根源的特性』と定義されるものです。
私が初めてこの言葉を知ったのは、労働組合の役員だったころに参加した賃金制度のセミナーでした。当時は「要は、その人のアウトプットが会社に利益をもたらすこと」程度の理解でしかありませんでした。
では、私の今の仕事は何が目標でしょう。社員が不満なく幸せに仕事をしていることを数値化することは難しく、単純に他社と比較することもできず、評価をすることも結構難しいものです。
確かに採用実績など数字で評価しやすいものもありますが、数が多ければそれでよいということではありません。
採用した社員が、将来的に会社やお客様や社員に利益をもたらすことができ、会社もそういう人財を多く育成することができて、会社全体の活力につながるものと考えます。
人事の仕事とは、そういう環境を整えて北海道日産が社会に対して利益を上げることを目標に置かなければなりません。
広い意味でコンピテンシーに重点を置いて人事の仕事に取り組むことは、当社の企業理念である「社員よし　お客様よし　会社よし」につながるものとなっております。

やっぱり堅苦しいですね（笑）

人事の仕事とは少し離れますが、当社の業種は自動車販売・修理がメインの会社です。
自動車は世の中になくてはならないものですが、スーパーやコンビニで売っているものではなく、維持するためにもいろいろと手間がかかります。
個人や家庭で使うクルマを自家用車といいますが、自家用車の買換えスパンは今9年に1度といわれており、私が入社した30年前に比べるととても長くなっております。
自動車ディーラーはスーパーのように日常的に通う店ではありませんし、価格も高価で買い替える際にはお客様は慎重に検討されます。
そうした人生に何度かしかない新しい車との出会いに立ち会って、最善のクルマに仕立ててお客様にお渡しした際に、嬉しそうな笑顔を見ると、お客様の役に立てたと自分も嬉しくなれるそんな瞬間がとても楽しかったです。

では、お客様のニーズに合う最善のクルマに仕立てるためには何が必要だと思いますか。
クルマは使うシーンや乗車人数、目的地や趣味、載せる荷物などお客様がクルマを選ぶうえで必要な項目はもちろんですが、デザインやカラー、シートの生地やこだわりの音響、ナビゲーションの機能など好みなどもきちんと把握していなければ、ぴったりの車種、グレード、オプションを仕立てることは出来ません。
これが簡単ではないんです！

特に初めてショールームにいらしたお客様とは初対面なわけですから、いかにお客様と短時間で信頼関係を構築することができるかにかかっております。
そのためにはお客様に与える最初の印象から影響しますので、頭の天辺から足の爪先まで神経を張り巡らせて、お客様の表情やしぐさ、発する言葉などに集中して「聞き切る」ことが必要です。「聞き切る」といっても、質問しなければお客様は答えてくださりませんので、質問が「尋問」にならないように相槌をうったり、オウム返しなど話法も使いながら「聞き切る」ことで、お客様の本音をつかむことができるのです。
これが大変！なんです。
でもその結果、新車を納車する際にお客様の満足した笑顔を見ると、やっぱり楽しくて。

そんな瞬間が仕事の原動力になったと思いますよ。
※写真は我が家が昨年18年振りに買い替えたセカンドカーです！

スキルが身についたということでは、間違いなく聞き上手になったことだと思います。
今人事の仕事をしておりますが、就活生のやりたいことや不安などに耳を傾けている毎日ですし、もちろん社員や上司、協力会社の皆さんなどから話を聞いて、ベストな対応、方針、戦略立案などの行動に移すとことを心がけております。

人と話すことが好きであれば、相手に興味を持って相手のことをもっと知りたいと思えるでしょうし、自然と自分が話すことよりも、話を聞くことが上手になっていきます。
人と話すのが苦手な人も、人の話を聞くことが得意になることだってできますので、そうしたスキルが身につけば、誰とでも話ができるようになって、どんどん世界が広がっていきますよ。

職場とは面白いもので、様々な年齢の方が同じ場所で働いていて、若い皆さんからしたら親よりも年上の人と共に過ごすことになります。
家族といる時間より多く過ごすことになるでしょうから、楽しんだらいいと思います。
私は入社して初めての店舗で、職種の違う上司・先輩と趣味について話したことがきっかけで、海釣り・川釣りに連れて行ってもらい、アウトドアのスキルを身に着けることができました。
それから20数年後には、もう退職した上司とその仲間に入れてもらって、息子も一緒に釣りに行きました。
なんでも身について職場って面白いですよね。